ふと何気なくテレビのスイッチを入れたら、岡林信康の歌声が聞こえてきた。(NHKテレビ・「SONGOS」・2010.2.3.午後10時)それも、こともあろうに何と、あの「悲しき口笛」(唄・美空ひばり)を口ずさんでいたのである。世の中、変われば変わるもの。あの長髪に髭だらけ「イエス・キリスト」然とし... 続きをみる
2018年11月のブログ記事
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『自閉症児のための抱っこ法入門』(阿部秀雄・学習研究社・昭和63年)
人の一生は「産声」から始まる。「産声」とは、肺呼吸が始まったことを現す証しに他ならないが、いわゆる「オギャーオギャー」という「発声」のことである。以後、乳児は頻繁に「オギャーオギャー」という泣き声を発するようになる。親は、それを聞いて、乳児の状態を観察、授乳、おむつの取り替え、衣服の着せ替え等々... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・47
《第13章 Fくんの場合》(秦野智子) 1.入園時のようす・・・不安定な母子 ・6歳0カ月の時、初めて来園した。すんなりと保育室に入り、母親のひざにすわっていた。しばらくすると黒板に石油会社名を書くようにせがむことをはじめた。書いた後は必ず声にして読ませた。その後、ワゴン車に乗り込み押してもらい廊... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・46
《第12章 Eちゃんの場合》(後藤徹男) 1.入園時のようす・・・薬物療法施行中 ・4歳3カ月の時、母親と来園。何をして遊ぶでなく、フラフラと歩き回っていた。トランポリンの上では、されるままで、自分から動こうとする意欲はまったく感じられなかった。発声はあまりなく、無表情で笑い声も聞かれなかった。4... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・45
《第11章 Dくんの場合》(小柴真喜子) 1,入園時のようす・・・表情固く言葉を発しない ・Dくんは非常におとなしい子で、感情表現が乏しく、一定の表情しかみられなかった。・電気のスイッチをつけたり消したり、オルガンの音に興味をもち、オルガンの下にもぐり込んでばかりいた。シーソーブランコを動かしては... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・44
《第10章 Cちゃんの場合》(久我晴代) 1.入園時のようす・・・3日に1度くらいしか声を出さない ・2歳11カ月の時、父母と見学に来る。泣いて入ろうとしない。強引に中につれて入る。父母と面談中も泣いてぐずっていた。給食は1人で好き嫌いなく全部食べた。その後、機嫌がなおったので保育室でボール遊びを... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・43
《第9章 Bくんの場合》(荻野俊子) 1.入園時のようす・・・固執傾向と独占欲 ・4歳2カ月月の時、初めて来室した。母親と一緒だったせいか不安も抱かず、いろいろな遊具に興味を示した。興味の対象は次々と移っていく。 ・4歳3カ月から通園開始。朝、帰りの会、給食の時など皆と一緒にいることはほとんどなく... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・42
《第3部 実践》 《第8章 Aくんの場合》(石田遊子) 1,入園期のようす・・・無反応な対人関係 ・3歳4カ月の時、家庭訪問して対面した。Aくんは私たちには全く無関心、ソファーに よじ登ったり、まわりを歩き回ったり、「リーダーズ・ダイジェスト」の本をめくったりしていた。母親が抱いても、嫌がってすぐ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・41
《8.予防措置》 ・まず、危険防止に配慮しなくてはならない。 ◆不必要な道具は片づけてておく。 ◆道具は金属製のものではなく、木製、プラスチック製のものにする。 ◆子どもが転ぶ可能性のある所には、マットを敷いておく。(階段からの転落に注意する)◆吊り下げる道具はできるだけ床近くまで下ろしておく。 ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・40
《7.固有感覚訓練》 ・固有感覚刺激は、身体の各部分の関節を曲げたり伸ばしたりすることで、与えられる。・この訓練も、子どもの反応にしたがって、喜ぶ活動を選べばよい。活動の種類としては、身体各部を曲げる、伸ばす、圧泊する、そうした感覚を統合するといった運動が考えられる。身体各部の屈伸は、「赤ちゃん体... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・39
C.痛覚 ・たたくということで痛覚の刺激が与えられる。刺激の強さは、保育者自身の力の入れ具合で自由にコントロールできる。ゆうやかな刺激としては、子どもの肩や背中をリズミカルにやさしく叩いてあげればよい。子どもによっては、もっと強い刺激を必要としている場合もある。自傷行為がある場合には、その行為を止... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・38
B.圧覚 ・圧覚刺激は、子どもの身体をおしたりもんだりして与えられる。いわゆる指圧やマッサージなどと同じような活動と考えてよい。 ・触覚刺激(こすること)は興奮を高める効果を持つのにたいして、圧覚刺激(おすこと)は興奮を抑える働きがあるといわれる。したがって、圧覚刺激はとくに多動な子どもの場合に奨... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・37
《6.皮膚感覚訓練》 ・刺激を与える場所は、子どもの気に入るところならどこでもよい、ということが原則である。 ・エアーズは触覚刺激を重視しているので、触覚、圧覚、痛覚、振動覚、くすぐり覚、温(冷)覚、水中覚の順に、活動例を紹介する。 ・皮膚感覚を刺激する活動は、スキンシップといわれている行為に含ま... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・36
《5.平衡感覚訓練》 ・平衡感覚に働きかける刺激とは、身体の動きと姿勢に変化を与えるということである。刺激の種類は次の7つに分類される。 ①身体の前後方向への直進加速度 ・ブランコに乗る。電車・バスの前向きの座席に乗る。ジェットコースターに乗る。 ②身体の左右方向への直進加速度 ・電車・バスの横向... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・35
《4.刺激の与え方》 ・まず感覚診断を行い、子どもの反応を調べる。かなり強い刺激を与えても子どもがかえって喜ぶようならプラス、ちょっとした刺激でも子どもがいやがるようならマイナスの反応といえる。 ・最初はプラスの反応を示した行動から始める。子どもの反応を観察しながら、かなり強い刺激にまで高めていく... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・34
《3.子どもの反応》 ・おとなが意図的に刺激を与えるときの着眼点や注意すべき点について述べる。 A.刺激を与える前の子どもの反応 ・新しい活動ということだけで尻込みしたり、自分自身の限界について鋭く意識している子どもがいる。子どもが道具を見て不安症状を示したら、その道具が脅威を与えていると考えなく... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980)精読・33
《2.感覚回路についての一般的原則》(デラカート) A.鈍すぎる感覚の場合 ①危険な場所や危ない物、有毒など危険に対して無防備なので、事故に気をつける。 ②いろいろな強い刺激を与えて感覚を目覚めさせる。 ③強い刺激からだんだん弱い刺激へと進める。 ④与えっぱなしにして慣れをおこさないように気をつけ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・32
《第7章 統合訓練の方法》(石田遊子) 《1.子どもにとって最適な刺激》 ・エアーズは、一般的原則として次のように言っている。「一般的にいって、楽しいもの・喜ぶものは統合されるものだと考えられる。」「もし子どもがその刺激が好きで自分からすすんでそれを求め、そのあと気持ちよく感じ、それによって興奮過... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・31
《6.療育キャンプの経験から》 ・千葉県中央児童相談所の好意により、1泊2日の自閉症療育キャンプ(昭和53年9月7~8日)に参加した自閉症児及び自閉傾向児18名(3~9歳)について感覚診断を行う機会を得た。母親に記入してもらった常同行動チェックリスト、児童相談所の個別記録、および、平衡感覚・皮膚感... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・30
《4.診断の実例 2(『自閉性精神薄弱児の家庭指導1』(小林提澍著・福村出版)のYくん)》 ・昭和30年5月30日から同年10月24日までの約半年間の記述を利用して、感覚診断の演習を行う。 ◆Yくんの感覚診断の結果 ●平衡感覚《鈍い》→・同一の位置で盛んにとび上がる。・ブランコが大好き。・電車は好... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・29
《3.診断の実例 1(『愛の奇跡」のアン』》 ・現実に子どもを相手にするのでないから、第2の方法である設定刺激は利用できない。◆診断の結果 ●平衡感覚《鈍い》・特定のイスにかけて何時間もゆすっている。・ブランコを何時間も乗っている、大きく前後に揺すって喜ぶ ●皮膚感覚《鋭い》・(触覚)→・抱き上げ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・28
《2.感覚診断の方法》 ・私たちはデラカート(の感覚障害論)を踏襲している。しかしデラカートの分類では「触覚」が広義に用いられすぎているため、感覚統合訓練の中で特に重要な、近接受容器の諸感覚が詳しくとらえられていないという欠点がある。そこで私たちは、次のような実用的な分類法を用いている。 ◆平衡感... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・27
《第2部 方法》 《第6章 感覚診断の方法》(鈴木佐江子) 《1.母子関係の評価》 ・まず最初に、母子関係がどの程度に育っているかを評価する。そして、母子関係が十分に育ち切っていなことが疑われる場合には、母子関係の発達を阻害している感覚障害が存在しないかどうかの診断に進むのである。 ・評価を容易に... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・26
【中間的総括】(感想) ・以上で「第1部 理論」の各章を読み終えた。ウィング理論、田口理論を著者らの批判を交えながら、「感覚統合」を提唱する論述はわかりやすく、たいへん参考になった。 ・私が最も知りたかったのは、「母子関係」と「感覚障害」の《関連性》、つまり①母子関係が形成されないと感覚障害が生じ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・25
《5.『愛の奇跡』(ホッジス手記、コープランド著述・篠崎書林・昭和50年)のアン》 ・1973年イギリスで出版され、1975年わが国で翻訳されたこの本が私たちの関心をひくきわめてユニークな点は、両親の愛の「しごき」によって少女が自閉の壁を打ち破り、大きく成長することができたという点である。 ◆アン... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・24
《4.テレビと自閉》 ・岩佐京子氏の著書『テレビに子守をさせないで』は昭和51年に発行され、「自閉症の原因はテレビである」という仮説によって話題をにぎわしたが、その間に岩佐氏自身の自閉症に対する考え方が大きく変化し、昭和53年に『新版テレビに子守をさせないで』が発行された。 ・旧版では、「ことばは... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・23
《3.原始感覚と弁別感覚》 ・セガンは、触覚を例に取りながら「同一感覚の二種の作用」(1866年)(『障害児の治療と教育』(ミネルヴァ書房・昭和48年)に言及して次のように述べている。 ◆触覚には、1つ以上の感覚が含まれている。1つは触覚そのものを形成する感覚の受容器官として、今1つは、接触という... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・22
《2.近接受容器と遠隔受容器》 ・自閉的な子どもにおける感覚障害を強調する論者の中で、デラカートは、五官をすべて同じ程度に重視している。五官とは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚であり、平衡感覚や体性感覚、温覚、痛覚などもろもろの皮膚感覚は、すべて「触覚」というカテゴリーに包含されている。「触覚」に無... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・21
《第5章 母子関係と感覚統合》(阿部秀雄) 《1.ハーロウの実験をどう読むか》 ・サルの乳児を使った有名なハーロウの隔離飼育実験から明らかになった事実は、母子関係とは子どもがこの世界で生きて行くのに不可欠な基本的安心感の源泉であり、生後一定期間母親(ないしはそれに代わるもの)を与えられずに育つと、... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・20
⑶服薬に対する指導について ・ティンバーゲン夫妻は「お医者さんの中には、自閉症児とみるとすぐに精神安定剤その他の薬を飲ませようとする人がいます。・・・これは緊急の場合か短期間だけの場合でないかぎり、好ましくありません」(「自閉症 文明社会への動物行動学的アプローチ」(田口恒夫訳編・新書館・1972... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・19
《3.考察・・・ 田口理論実践面での疑問点》 ⑴田口理論の適応について ・「ことばの遅れ」の要因は,田口氏の古い著書(「言語発達の病理」・医学書院・昭和45年)から引用すると、①知能発達の遅れ、②聴覚障害、③発語器官の異常、④情緒的要因、⑤中枢神経機能障害、⑥環境的条件、である。筆者も同じ見解であ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・18
◆症例4.女(昭和46年7月20日生) ・6歳2カ月の時、通園中のE肢体不自由児通園施設にて面接をした。 ・脳性マヒ(四肢マヒ)のため座位も保持できない。 ・対人関係はよくとれ、言語理解力はほぼ年齢相当であったが、言語表出では、発声・発語器官のマヒの影響で、発声しようとすると緊張が強まり声が出ない... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・17
《第4章 言語臨床から見た田口理論》(千葉県障害者相談センター 鈴木弘二) 《1.はじめに》 ・筆者は言語治療に携わって6年になるが、子どもの相談では「ことばの遅れ」を主訴とする相談ケースが相当数あり、その中で田口氏らが言う「しばしば、自閉症とか自閉傾向とか微細脳障害症候群とか発達性失語症とかいっ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・16
《3.「子どもの不安・緊張の原因」の分析》 ・『言語発達の臨床第2集』では62例にもわたる「不安・緊張の原因」が次の11項目の下に整理されている。A.視線、B.顔、C.声、D.音、E.人の接近、F.接触、G.人の動き・姿勢、H.人からの働きかけ、I.周囲の状況、J.子どもの身体的状態、K.母親の状... 続きをみる
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『「自閉」をひらく母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・15
《2.「子どもの不安緊張症状と思われる行動」の再整理》 ・田口恒夫編『言語発達の臨床第2集』に収められた「子どもの不安緊張症状と思われる行動」は、現実に子どもが不安な状態に陥っているかどうかを見抜くうえで、臨床上きわめて有益である。そこには、144例の行動例が、A.声に関するもの、B.ことばに関す... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・14
《第3章 田口理論をめぐって Ⅱ》(鈴木佐江子) 《1.「人にしてもらって楽しい活動」の生理学的分析》 ・田口氏らによって推奨されている「人にしてもらって楽しい活動」90余例を感覚の種類別に系統的に分類整理してみた。その結果、平衡感覚および皮膚感覚刺激の活動例が圧倒的に多く、聴覚、視覚などの活動例... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・13
《9.自閉論への寄与》 ・田口理論やティンバーゲン夫妻の理論をめぐって、心因論か素質論か器質論かをあげつらってみても、あまり生産的ではないかもしれない。 ・田口理論の持つ最も重要な意義は、「言語発達遅滞」児にとっても、正常に発達した児童とまったく同様に、母子関係が言語発達の基盤である、という命題を... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・12
《8.集団生活に入れる時期》 ・母子関係ができて初めて他児への関心が育ってくるのが発達の原則であるから、早すぎる母子分離が子どもの発達の基盤を弱めてしまう危険は十分にある。「お母さんから離れたがらない子どもを子どもを無理に引き離して、子どもの成長のためにはよいことはひとつもありません」という助言は... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・11
《6.「喜ばせる」活動の位置づけ》 ・「喜ばせる」活動は、『第1集』では「言語発達遅滞」児を援助する主要な活動であったが。『第2集』以後になると、「ただ喜ばせることから、安心させること、おびえさせないことに重点をおく」ように方針が少し変えられている。 ・「喜ばせる」ことのこの比重低下は、それが母子... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・10
《5.子どもの側の問題》 ・田口理論をさらに発展させるためには、むしろ子どもの側に視点をずらして、そうした子どもたちはなぜ生得的に泣かないか、あるいは泣きやまないかという問いを提起することが必要であろう。母性行動は本来、最も切実な基本的欲求を満たすものとして、子どもから泣き求められ、かつ喜びをもっ... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・9
《4.心因論への偏り》 ・田口理論の問題点のひとつは、心因論に傾きやすい点である。 ・『第1集』において生得的に愛着行動が弱い事実は認められているにしても、それによって誘発される育児行動が少なくなることが直接の原因として重視されている。 ・『第2集』以後では泣かない子どもに加えて逆に「泣き出すと何... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・8
《2.「言語発達の臨床」理論から人格発達の臨床理論へ》 ・田口理論の卓越した点は、家庭から離れて育てられている児童に対してでなく、また実の家庭にあって両親から虐待ないしは放置されている児童に対してでもなく、両親の愛護のもとで育てられている「言語発達遅滞」児に一貫して適用した点にある、ということがで... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・7
《第2章 田口理論をめぐって Ⅰ》(阿部秀雄) ・本稿では、お茶の水女子大学の田口恒夫氏を中心とする言語発達臨床研究会の言語発達遅滞」児に関する理論(以下「田口理論」と称する)を紹介しながら、私見を述べる。 《1.田口理論でいう言語発達遅滞児》 ・田口氏らは自閉症とか自閉傾向とか微細脳障害症候群と... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・6
《4.「基本的障害」を腑分けすれば》 ・ウィング女史の「基本的障害」にある「コミュニケーションの障害」というカテゴリーは、対人関係の障害という二次的障害の結果生じるいわば三次的障害としてはずすことにする。 ・また「運動統制の障害」にある「腕を交互に振らずに、爪先立ちで跳ねるようにして歩く」「自発的... 続きをみる
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朝刊(東京新聞)を見ながら朝食を摂ろうとして、思わず、激しい吐き気におそわれた。一面トップ記事の見出しに《道路脇に「黄金のペットボトル」 用済みをポイ捨て!? 「トラック運転手がトイレ面倒と・・・」》という文言が見える。私はその記事自体が不潔な感じがして、食欲を失った。苛酷な労働条件のため長距離... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・5
《3.コミュニケーション能力は上部構造》 ・ウィング女史に従えば、自閉症児におけるコミュニケーション能力の障害は、表現と理解、話しことば(スピーチ)、言語(ランゲージ)、言語以前のコミュニケーションというあらゆる水準に及んでいる。「自閉症児の障害は、コミュニケーションのすべての形態にわたっている」... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・4
《2.母子関係の軽視》 ・ウィング女史らに発達的な視点が欠落している、と言えばたしかに言い過ぎであろう。しかし、対人関係がどのように発達するか、対人関係とコミュニケーション能力との発達的関連はどのようなものであるか、についての考察は不十分である。 *対人関係の発達 ◆人に無関心→人一般との関係→【... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・3
【第1部 理論】 《第1章 ウィング理論を超えて》(阿部秀雄) 《1.あまりに多面的すぎる》 ・ウィング夫妻らの自閉論の特徴は、自閉を派生的な(二次的)な障害としてとらえる器質論的共通の立場に立ちながら、基本的(一次的)な障害は単一のものではなく、言語障害を中核とする多面的な障害群から成っている... 続きをみる
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『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・2
《まえがき》(つくも幼児教室施設長・阿部秀雄) ・現状では(自閉症、早期小児自閉症、自閉的傾向、自閉性精神薄弱などと呼ばれている子どもたちの)本態も原因も治療の方法もほとんどわかっていない。せいぜい1つの状態像(症状)を記述する用語として「自閉」という表現を用いるにとどめ、その原因はけっせて単一の... 続きをみる