ユーチューブで映画「上陸第一歩」(監督・島津保次郎・1932年)を観た。何とも「摩訶不思議」な映画である。タイトルを見て、戦意高揚の国策映画と思いきや(しかし、1930年代に国策映画はあり得ない)、アメリカ映画「紐育の波止場」の翻案で、島津監督の「第1回トーキー作品」、主演の水谷八重子(28歳)... 続きをみる
2021年5月のブログ記事
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原作は谷崎潤一郎、文学の世界では作者特有のマゾヒズム、耽美主義が取り沙汰されているようだが、映画の世界では、お琴(田中絹代)と佐助(高田浩吉)の「師弟愛」が清純に描出されていた、と私は思う。 お琴は大阪・薬屋の次女、9歳の時に罹患し盲目となった。かねてより琴・三味線を習っていたので、その道を極... 続きをみる
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二組の男女(同胞)が登場する。その一は姉・ちか子(岡田嘉子)と弟・良一(江川宇礼雄)、その二は兄(奈良真養)と妹・春江(田中絹代)である。姉はタイピスト、夜は大学教授の下で翻訳補助を行い、大学に通う弟の学資を稼いでいる。兄は警察官、妹は良一の恋人である。二組の男女はそれぞれ慎ましく暮らし、やがて... 続きをみる
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ウィキペディア百科事典では、この作品について以下のように解説している。「・・・『大学の若旦那』(1933年)に始まる「大学の若旦那シリーズ」で明るく朗らかな笑いを提供し、清水は、このシリーズの成功によって松竹現代劇の娯楽映画を代表する監督となった。主演には、清水と体型が似た慶応ラグビー出身の藤井... 続きをみる
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保健所から「新型コロナウィルスワクチン予防接種のお知らせ」という封書が届いた。中には、①新型コロナワクチン接種のお知らせ、②新型コロナワクチン予防接種についての説明書、③新型コロナワクチン接種の予診票、④接種票、⑤予防接種済証等の文書が入っている。②の「説明書」を読むと、以下の記述が気になった。... 続きをみる
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原作は村松梢風、五代目尾上菊五郎(河原崎権十郞)の養子・二代目尾上菊之助(花柳章太郎)の物語である。冒頭は歌舞伎座の楽屋裏、これから「東海道四谷怪談」隠亡堀の場が始まろうとしている。有名な「戸板返し」後の「だんまり」で、菊之助は与茂七を演じたのだが、直助役の菊五郎は、いたって不満足、「ダイコ」... 続きをみる
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サイレント喜劇映画の傑作である。冒頭は剣道の大会場面、皇族の審判長(突貫小僧)も臨席しているが、興味なさそうに何かを吹き飛ばして遊んでいる。学生の岡島(岡田時彦)が次々と勝ち進み敵(学習院?)の大将(齋藤達雄)と対決する。しかし、岡島の戦法は「いい加減」、試合を中断する素振りを見せ、敵が油断した... 続きをみる
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ユーチューブで映画「落第はしたけれど」(監督・小津安二郎・1930年)を観た。前作「学生ロマン若き日」の続編である。W大学応援部の高橋(齋藤達雄)たちは、いよいよ卒業試験の時期を迎えた。試験場では監督(大国一郎?)の目を盗みあちこちでカンニング、その方法も様々である。学生同士は皆「仲間」、高橋が... 続きをみる
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DVDで映画「日本の夜と霧」(監督・大島渚・1960年)を57年ぶりに観た。当時、私は学生だったので「大変興味深く」「共感をもって」鑑賞したことだけは記憶にあるが、登場人物の誰に共感したかは定かではない。かすかに最後の場面で、党員の学生がステロタイプ化した弁舌を機械音のように「流している」うちに... 続きをみる
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タイトルの「有りがたうさん」とは、ある男のニックネームである。彼は三島~下田間を往復する乗合バスの運転手、まだ二十代の二枚目(上原謙)、天城・下田街道を歩く人々を(時にはニワトリの群れにまでも)追い抜くたびに、「(道を譲ってくれて)ありがとう!」と声をかけて往く。走行距離は二十里、二つの峠を越さ... 続きをみる
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1941年(昭和16年)、山梨の下部温泉で一夏を過ごす人々の物語(原作・井伏鱒二)である。長逗留をしているのは学者・片田江先生(齋藤達雄)、復員兵とおぼしき納村猛(笠智衆)、商家廣安の若旦那夫妻(日守新一、三村秀子)、老人(河原侃二)とその孫・太郎(横山準)に次郎(大塚正義)といった面々である。... 続きをみる
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ユーチューブで映画「路上の霊魂」(監督・村田実・1921年)を観た。ヴィルヘルム・シュミットボンの『街の子』(森鴎外訳)とマクシム・ゴーリキーの『夜の宿(どん底)』(小山内薫訳)が原作で、ナ、ナ、ナント、日本の演劇界の革新に半生を捧げた小山内薫自身が出演しているとは・・・。ウィキペディア百科事典... 続きをみる
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映画「大人の見る絵本 生れてはみたけれど」(監督・小津安二郎・1932年)
ユーチューブで映画「大人の見る絵本 生れてはみたけれど」(監督・小津安二郎・1932年)を観た。「大人の見る絵本」というタイトルだが、登場人物は子どもたちが中心である。またその中の中心になるのが吉川家の兄・良一(菅原秀雄)とその弟(突貫小僧)ということである。 吉川家はこれまで麻布に居たが、子... 続きをみる
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映画「恋の花咲く 伊豆の踊子」(監督・五所平之助・1933年)
ユーチューブで「恋の花咲く 伊豆の踊子」(監督・五所平之助・1933年)を観た。タイトルに「恋の花咲く」という文言が添えられているように、この作品は川端康成の原作を大きく改竄している。それはそれでよい、むしろその方が映画としては面白かった、と私は思う。主人公の学生・水原(大日向伝)は原作の「私」... 続きをみる
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「苦しいとき(困ったとき)の神頼み」という言葉があるが、苦しいとき、困ったときに神仏を頼っても効果は期待できない。普段は神仏を大事にしていないのに、困ったときだけ「お願い」するというのは虫が良すぎるからである。 信心で最も大切なことは、お願いしたり祈ったりすることではなく、《感謝する心をもつこ... 続きをみる
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愛知県知事リコールの会の事務局長が、署名書き写しの依頼を認めたことについて、5月6日の「虎ノ門ニュース」で、ジャーナリストの有本香氏と科学者の武田邦彦氏が言及している。いよいよ、リコール運動に関与した両氏が「責任をとる」段になったかと、期待して見聞したのだが・・・。武田氏は《相変わらず》選管やマ... 続きをみる
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「東京新聞」5月3日付け朝刊・1面に「署名書き写し依頼 認める 愛知リコール 事務局長『焦っていた』」という見出しの記事が載った。半月前(4月16日)には、常滑市議の山田豪氏が、不正署名は「事務局長が指示」したことを認め、その時点では田中孝博事務局長は「証言正しいか答えられない」としていたが、と... 続きをみる
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