午前1時から、〈「ラジオ深夜便」(NHK)・インタビュー・アンコール「日本のあす、私の提言~人間中心の経済運営とは」経済同友会終身幹事・品川正治〉を聴いたが、たいそう興味深い内容であった。品川氏の話を(私の独断と偏見によって)要約すると以下の通りである。①自分は今、86歳、その人生を大別すると「... 続きをみる
2020年1月のブログ記事
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東海道本線で金谷に向かう。JR東日本「大人の休日倶楽部」の割引乗車券利用のため、東海道新幹線ではなく、「特急踊り子号」で熱海まで、以後は在来線・浜松行きで金谷まで、という行程である。 私が初めて鉄道旅行(単独)をしたのは、小学校4年(昭和29年)の夏休みであった。東京駅15・16番線ホーム発の... 続きをみる
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「榎物語」(永井荷風・昭和6年)読了。大変おもしろかった。解説(竹盛天雄・「岩波文庫」)によれば、「大正から昭和への転換期においても、荷風の文業は、随筆が主であって小説制作は依然下降をつづけている。ようやく復活のきっかけをつかむのは、一九三一(昭和六)年、『あぢさい』『榎物語』につづいて『つゆのあ... 続きをみる
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永井荷風は『鴎外全集を読む』で、「文学者になろうと思ったら大学などに入る必要はない。鴎外全集と辞書の言海とを毎日時間をきめて三四年繰り返して読めばいいと思っております」と書いている。(『永井荷風ひとりぐらしの贅沢』永井永光・水野恵美子・坂本真典・新潮社)そこで、森鴎外の作品を毎日時間を決めて読ん... 続きをみる
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「庶民列伝」(深沢七郎・新潮社・1970年)の「序章」を読む。冒頭は〈庶民というものは、どんな人たちだかはだいたい見当がつくものだが、どの生活からどのくらいの生活までの人たちを、「庶民だ」とはっきり区別することはなかなかむずかしいことだと思う〉という書き出しである。そこで、筆者は、話し相手の友人... 続きをみる
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あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。ある夏の日、おじいさんの友だちから宅急便が届きました。開けてみると、大きな桃がたくさん入っています。その一つをおじいさんが取りあげると、一匹の黒い虫が、ポトリと落ちました。大きなクワガタです。クワガタは床の上で仰向けになり、手足をさかんに動か... 続きをみる
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「わが老い 伴侶の老い」(三浦朱門・ぶんか社文庫・2008年)
「わが老い 伴侶の老い」(三浦朱門・ぶんか社文庫・2008年)読了。この本は、〈(株)海竜社より2002年に刊行された『わが老い 伴侶の老い 老年を愉しむ13の戒め』を加筆・修正し、文庫化した〉ものだそうである。執筆時の筆者は75歳、それから7年たった。当時をふりかえり次のように述懐している。... 続きをみる
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パリ同時テロで妻を失った仏人ジャーナリスト、アントワーヌ・レリス氏がフェイスブック上に綴った「君たちに憎しみをあげない」という文章を読んだ。この文章は19日現在20万回以上共有され、世界中に共感が広がっているという。私もその共感者の一人だが、まず何よりも、テロリストに向かって「君たち」と呼びか... 続きをみる
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今年88歳になる女性の話。彼女は2年前に伴侶を亡くし(89歳で他界)たが、その七回忌までは生きようと思っている。最近、菩提寺(住職、檀家代表)から連絡があった。本堂の修繕をしたいので60万円の寄付をしてもらいたいとのことである。夫の生前中には100万円ほどの寄付をしたこともあったが、それは羽振り... 続きをみる
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インターネットのYAHOOニュースに「ヘンリー王子がアフガン任務終了、「タリバン戦闘員を殺した」AFP=時事 1月22日(火)9時58分配信」というタイトルの記事が載っている。その内容は、以下の通りであった。〈【AFP=時事】攻撃ヘリコプターの乗員としてアフガニスタンに派遣されていた英国のヘンリー... 続きをみる
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まもなく、イラク戦争による米軍兵士の戦死者は三千人に達するだろう。彼らは何のために死んだのだろうか。イラクの大量破壊兵器を見つけ出し、テロリストからアメリカ国民を守るためか。フセインの圧政からイラク国民を解放し、民主的な国家建設を支援するためか。それとも、異教徒に対する、クリスチャンの「聖戦」の... 続きをみる
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アメリカ大統領選でドナルド・トランプ候補が勝利した。彼は、駐留にかかわる費用全額を日本が負担しない限り米軍を撤収する由、まことにけっこうな話である。日本全土から米軍がいなくなれば、日本は自力で国を守らなければならない。当然のことである。世界中のどの国も、自分のことは自分で始末するのが常識である。... 続きをみる
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テレビに登場する面々は、ほとんどが「一様に」笑っている。カメラ目線での笑顔をどのように描出するか、が番組出演者の必須条件になっている。なるほど昔から「笑う門には福来たる」と言われているように、笑うことは、幸せにつながる早道かもしれない。とりわけ、テレビという媒体は、直接、巷間の家々、しかも居間と... 続きをみる
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「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・34
【要点】(以下、国造名、所在地のみ記す) 《其一四穂国造》(三河国宝飯郡)《其一五参河国造》(三河国)《其一六遠淡海国造》(遠江国)《其一七久努国造》(遠江 国山名郡久努郷)《其一八珠流河国造》(駿河国)《其一九蘆原国造》(駿河国蘆原郡)《其二0三国国造》(越前国坂井郡三国地方)《其二一角鹿国造》... 続きをみる
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「日本の名随筆・芸談」(和田誠編・作品社・1996年)読了。私自身の煩悩のため、「芸人風情が随筆なんて十年早い」と思いながら、徳川夢声、山本嘉次郎、五代目・古今亭志ん生、團伊玖磨、藤原義江、黒澤明、美空ひばり、嵐寛寿郎、芥川比呂志、六代目・三遊亭円生、野村万作、高峰秀子、二世・尾上松緑、森繁久弥... 続きをみる
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前回のロンドン大会では、オリンピックの入賞者が、パラリンピックの終了を待たずに単独で凱旋パレードを行い、図らずもアスリートはじめ関係者の未熟さが露呈された。それを反省してか、今回はオリンピック・パラリンピックの入賞者が合同でパレードを行うらしい。東京都教育委員会のホームページでは、オリンピック・... 続きをみる
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第三話 出会ってから、わずか七回の「逢瀬」で、見事な「情死」を果たした男女がいる。 日活映画「泥だらけの純情」(原作・藤原審爾 脚本・馬場当 監督・中平康 昭和38年)に登場した、次郎(浜田光夫)と真美(吉永小百合)である。 物語の梗概は以下のとおりである。 ◆組長・塚田に頼まれてヤクを森原組... 続きをみる
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第二話 民話・鶴女房を現代劇に脚色した「夕鶴」(木下順二)には、「不可解感」「錯覚」に囚われた男・与ひょうが登場する。「ばかはばかなりに、昔はたいそう働きもんだった」与ひょうのところへ、「いつだったか、晩げに寝ようとしとったらはいってきて、女房にしてくれ」という女がいた。つうという名である。つう... 続きをみる
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男と女の物語は、「恋」をテーマにしなければ成り立たない。語る方も、聞く方も、それを一番に望んでいるからである。「恋」とは、「相手を必要と感じる」ことであるが、その思いが成就されることは容易ではない。 第一話・イザナギ・イザナミ 「古事記」の冒頭には、イザナギ、イザナミという男女の物語が記され... 続きをみる
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東京新聞10月8日付け朝刊(27面)に、興味深い二つの記事が載っている。その一は「呼吸器外し 意思尊重を」、その二は「がん 家族に口止め」という見出しであった。前者の内容は、難病(ALS)患者(男性68歳)が、「現在は人生を謳歌しているが、意思疎通できなくなったら呼吸器を外して下さい」と要望した... 続きをみる
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今日は今月6日に行った「薬剤負荷心筋シンチグラフィ検査」の結果が判る日だ。午後2時過ぎ、大学病院に赴いて主治医の話を聞いた。「先日は、検査お疲れ様でした。結果を見ると、負荷をかけた時、安静にした時の心臓の状態に、変化はありませんでした。ということで、心筋梗塞の事後の経過は順調です。今後は(次回の... 続きをみる
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「北方領土」であれ、「尖閣」であれ、「竹島」であれ、国境を決めるのは「第三者」ではない。当事する国のうち「強者」が決めることは、世界(歴史)の常識であろう。日清・日露の戦役で、日本の領土は拡大したが、先の大戦での敗北により縮小した。大切なことは、領土の拡大が、日本人に何をもたらしたか、という観点... 続きをみる
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もともとヴォードヴィリアンだった渥美清を,国民的な俳優に仕立て上げたのが映画「男はつらいよ」のシリーズであったが,そのことで渥美清は本当につらくなってしまったのだと,私は思う。浅草時代の関敬六,谷幹一,テレビ時代の平凡太郎,谷村昌彦らと同様に,渥美清はスラップ・スティック・コメディの喜劇役者であ... 続きをみる
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まもなく私は70歳、古来より稀とされている年齢を迎えることになる。17歳の時から「死にたい」と思い続けながら、53年が過ぎた。その思いとは裏腹に、性懲りもなく「生き(延び)ている」自分に、ほとほと愛想が尽きる。ヒトは何のために生きるのであろうか。ヒトは「人間」として生きる前に「動物」として生きる... 続きをみる
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鎌田慧氏が東京新聞朝刊(23面)で「叛逆老人はいま」(本音のコラム)というコラムを書いている。成人の日を迎えた若者たちに、《政治に関心をもつように》という檄である。60年前の日米安保闘争、52年前の全共闘運動は敗北に終わったが、当時の若者たちは、今、叛逆老人となって、しぶとく反原発、安倍亡国政治... 続きをみる
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新年早々から今日まで、「東京新聞」朝刊には以下の見出しの記事が載った。 《1月4日》 ①「イラン精鋭部隊司令官殺害 米大統領命令 ハメネイ師 報復警告」(1面) ② 「米、一線越え イラン『報復』 安保戦略の英雄『殉教』」(3面) 《1月9日》 ③「イラン、米基地報復攻撃 イラクに弾道弾 死傷者... 続きをみる
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「NHKスペシャル 認知症の第一人者が認知症になった」を観た。NHKは番組の内容を以下のように解説している。 〈〝君自身が認知症になって初めて君の研究は完成する″かつての先輩医師の言葉を胸に、自ら認知症であるという重い事実を公表した医師がいる。認知症医療の第一人者、長谷川和夫さん(90)。「長谷... 続きをみる
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「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・33
《其一0安房国造》 【要点】 安房国安房郡で「阿波国造、志賀高穴穂朝御世、天穂日命八世孫禰都侶岐孫、大伴直大瀧定賜国造」と見え、出雲系であるが、此氏の氏姓大伴直は、阿倍系膳大伴部の直轄部民、または管理委託者であることに由来しているのであろうか。 この地には、上古より齋部氏に率いられた安房忌部氏... 続きをみる
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いよいよ私の「仮説」を検証する時が来た。その仮説とは以下のとおりである。 《これまでの経過》 私の診断名は「陳旧性心筋梗塞」で、発症後1年半が経過している。直後から①血液をサラサラにして血液の流れを改善する薬「バイアスピリン100mg」、②血を固まりにくく血液の流れをよくし、血栓ができるのを抑... 続きをみる
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今日は、昨年の9月9日から延期となっていた「薬剤負荷心筋シンチグラフィ検査」を受けるために大学病院に向かった。説明書によれば、私の診断名は「陳旧性心筋梗塞」である。〈冠動脈が閉塞し心筋壊死を起こした心筋梗塞が、発症してから30日以上経過した疾患〉(「看護用語辞典 ナースペディア」より引用)のこと... 続きをみる
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「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・32
【要点】 《其五白河国造》 白河国造家は阿部系、丈部、大伴系の三祖を並存している。 《其六岐閇》 岐閇氏は、多珂、石城の国造と同様、凡河内系と出雲系の二祖を生じている。 《其七多珂国造》 多珂国も、天津彦根命の凡河内系、天穂日命の出雲系の二祖を併発している。 《其八筑波国造》 筑波国造... 続きをみる
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「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・31
《其三信夫国造》 【要点】 信夫国は後の信夫郡である。「信夫国造、志賀高穴穂朝御世、阿岐国造同祖、久志伊麻命孫久麻直定賜国造」と見える。しかるに、神護景雲3年3月紀に「信夫郡人外正六位上丈部大庭等賜姓阿倍信夫臣」とあって、阿倍臣を称しているのも、同氏人であると思われる。ここに二祖を生じているわけ... 続きをみる
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「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・30
《其二阿尺国造》 【要点】 阿尺国は、後の安積郡の地である。「阿尺国造、志賀高穴穂朝御世、阿岐国造同祖、天湯津彦命十世孫、比止禰命定賜国造」と見えるが、延暦10年9月紀に「授陸奥国安積郡大領外正八位上阿倍安積臣継守、外従五位下以進軍糧也」とあって、阿倍氏を称しているから阿倍氏系でもあろう。もとも... 続きをみる
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新年早々、早くも戦争の兆しが現れた。〈米国防省は2日、トランプ大統領の命令により、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」の対外工作部隊を主導するソレイマニ司令官らを殺害したと発表した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、イラクの首都バグダッドの国際空港でソレイマイニ氏らを乗せた車列を米軍の... 続きをみる
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もし健康ならば、体温や脈拍、血圧を毎日測るなどということはしないだろう。しかし、私は2017年10月(73歳時)から血圧、脈拍を毎日測り続け、その結果を「血圧手帖」(折れ線グラフ)に記してきた。手帖は1冊26頁で、これまでに4冊費やした。にもかかわらず記録を始めてから8か月後、「急性心筋梗塞」を... 続きをみる
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