17「ざんげの値打ちもない」(詞・阿久悠 曲・村井邦彦 歌・北原ミレイ) 《寸感》 2月の寒い夜、14歳で初めて「抱かれ」、5月の雨の夜、15歳の時、安い指輪を贈られて「捧げた」。それから4年・・・、8月の暑い夜、捨てられた19歳の女は、ナイフを手にして男を待つ。その思いは遂げられたのであろう。... 続きをみる
2023年10月のブログ記事
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ネオン川 / バーブ佐竹
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15「川は流れる」(詞・横井弘 曲・桜田誠一 歌・仲宗根美樹) 《寸感》 横井弘には「川は流れる」(1961年・昭和36年、曲・桜田誠一、歌・仲宗根美樹)、「ネオン川」(1966年・昭和41年、曲・佐伯としを、歌・バーブ佐竹)という名品もあった。この二作は昭和女の哀しみ(うつろい)を前・後編で描い... 続きをみる
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14 「ダンディ気質」(詞・清水みのる 曲・大久保t徳二郎 歌・田端義夫) 《寸感》 昭和(戦後)の名曲に、「ダンディ気質」という作物がある。リリースは昭和23年、作詞・清水みのる、作曲・大久保徳二郎、歌手・田端義夫、ということで、歌詞は以下の通りである。〈花のキャバレーで 始めて逢(お)う... 続きをみる
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13 「哀愁海峡」(詞・西沢爽 曲・遠藤実 歌・扇ひろ子) 《寸感》 以下は今から11年前に見聞した「扇ひろ子ショー」の見聞記である。 《午後2時30分から、小岩湯宴ランドで「扇ひろ子ショー」を見聞する。会場は超満員、観客のほとんどが「高齢者」、出演者も1945年生まれの「高齢者」とあって、双... 続きをみる
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12 「手紙」(詞・岡林信康 曲・岡林信康 歌・岡林信康) 《寸感》 以下は、13年前に綴った駄文である。(2023.10.25) ◆フォークの神様・岡林信康の《変貌》(2010.2.3) ふと何気なくテレビのスイッチを入れたら、岡林信康の歌声が聞こえてきた。(NHKテレビ・「SONGOS」・... 続きをみる
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11 「別れのブルース」(詞・藤浦洸 曲・服部良一 歌・淡谷のり子) 《寸感》 以下は、今から8年前に綴った駄文である。(2023.10.24) ユーチューブで「歌に恋して85年 淡谷のり子 生涯現役 女のブルース」というテレビ番組を観た。その中では、淡谷のり子が80歳を過ぎても「生涯現役」を... 続きをみる
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10 「流浪歌」(詞・吉田旺 曲・徳久広司 歌・徳久広司) 遠藤実も船村徹も元は「流し」の演歌歌手、徳久広司もまた「歌手」出身の作曲家である。志破れて都落ちする男の心情を切々と歌い上げる歌唱力は本物であり、歌手としても輝いている。ところで、この男が歌う「流浪歌」とは何だろうか。昔、「流浪の旅」... 続きをみる
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9 「哀愁の駅」(詞・辻本茂 ・曲・袴田宗孝 歌・松山恵子) 《寸感》 人気歌手・松山惠子の多くのヒット曲のかげに隠れた、珠玉の名品だと私は思う。舞台は大阪駅、恋に破れた女が新天地を求めて旅立とうとしているのか、それとも大阪に夢を抱いてやってきたのに、儚く破れてふるさとに帰ろうとしているのか・・... 続きをみる
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8 「流れの旅路」(津村謙) 《寸感》 平成の時代になっても「旅役者」は存在する。全国に150余りある劇団を、私も追いかけた。 以下は、平成20年10月の「見聞記」である。(2023.10.22) 〈午前11時45分から、栃木県・鬼東沼レジャーセンターで大衆演劇観劇。「鹿島順一劇団」(座長・... 続きをみる
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7 「旅のつばくろ}(詞・清水みのる 曲・倉若晴生 歌・小林千代子) 《寸感》 歌い出しは「茜い夕陽の他国の空で しのぶ思いは皆おなじ」、多くの日本人が夢を求めて渡った満州の地から、遠いふるさとをしのぶ思いは皆おなじという心情を、小林千代子の華麗な歌声が、鮮やかに描き出す。でも「泣いちゃいけない... 続きをみる
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6 「浜昼顔」(詞・寺山修司 曲・古賀政男 歌・五木ひろし) 《寸感》 歌人・寺山脩司は「作詞家」でもあった。その作物に「浜昼顔」という佳作がある。詠って曰く「家のない子のする恋は たとえば背戸の赤とんぼ ねぐら探せば陽が沈む 泣きたくないか日ぐれ径 日ぐれ径 たった一度の恋なのと 泣いてた君は... 続きをみる
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5 「恋文」(詞・吉田旺 曲・佐藤勝 歌・由紀さおり) 《寸感》 昭和の女(深窓の令嬢か)の、可憐な恋心を、由紀さおりが艶やかに歌い上げる。アズナヴールに夢二、秋祭りの指輪に千代紙、矢絣にココア、昼下がりの小雨、雨上がりの夕陽といった「和洋混在」の風景をバックに、《朝な夕なに貴男様をお慕い申し候... 続きをみる
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4 「居酒屋」(詞・横井弘 曲・鎌田俊与 歌・春日八郎) 《寸感》 詠って曰く「昔の俺と同じだと 酒をつがれりゃ こみあげる 泣くなよ 泣くなよ 男だぞ 涙コップに 落としたら 居酒屋の 古びたビラさえ 笑うだろう」。ここに登場する人物(おそらく昭和男)は、以前、信じた男もしくは女に裏切られ、「ひ... 続きをみる
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3 「おんなの夢」(詞・悠木圭子 曲・:鈴木淳 歌・八代亜紀) 《寸感》 この歌の作詞は悠木圭子、作曲は鈴木淳、二人は夫婦の間柄。世に「おんなの・・・」というタイトルの演歌は多いが、その作詞はほとんどが男だ。「女のためいき」は吉川静夫、「女のみち」は宮史郎、「おんなの海峡」は石本美由紀、「女の港... 続きをみる
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2 「こぼれ花」(詞・萩原四朗 曲・上原賢六 歌・石原裕次郎) 《寸感》 ちあきなおみが、最も愛好した歌手は石原裕次郎だった、という。彼には「錆びたナイフ」「赤いハンカチ」「夕陽の丘」などの秀作があるが、「こぼれ花」は群を抜いている。 荒野に咲く一輪の野ばらに、自分の姿(生きざま)を投影させてい... 続きをみる
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序 「文藝春秋」2023年11月号で、作家の五木寛之氏が、千年後まで残す昭和歌謡を100曲選んで「昭和万謡集」を編もうと、識者に呼びかけているそうだ。 ならば、僭越ながら私も独断と偏見で、その100曲を選んでみたい。 1 「昭和えれじい」(詞・吉田旺 曲・船村徹 歌・ちあきなおみ) 《寸感》 ... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)検討(3)・Ⅰ章・3
《要約》 2)表象機能と認知機能 ・一般の子どもの表象機能と認知発達に関する理論が、自閉症児の認知発達とその障害を解明するための方法論を提供することになる。このような観点からの、自閉症の認知を発達的に解明するための発達段階の具体化が「Stage分け」である。 ⑴表象機能とは ・人間は環境から入って... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学・1992年)検討(2)・Ⅰ章・2
《要約》 1)認知障害についての理解の変遷 ⑴初期の認知障害の理解 ・自閉症はKanner(1943)の報告した当初は、部分的に高い認知能力を示すことから、知的能力は障害されていないと考えられていた。その知的能力(認知能力)が発揮されないのは、自閉という症状のためであると解釈されていた。このため、... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)検討(1)・Ⅰ章・1
*第Ⅰ章の以下の部分は、自閉症が「認知障害」であることの論拠が述べられていると思われるので、要約しながら逐条的に検討を加えてみたい。 《要約》 【4.自閉症の認知障害】 ・自閉症の特徴的な行動(3つの必須症状)は、親の性格や養育態度により強まったり弱まったりすることもある。また、現代文明の“非人間... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(30)・Ⅹ章 自閉症の遺伝研究
【要約】 《Ⅹ章 自閉症の遺伝研究》 【はじめに】 ・自閉症は、現在では中枢神経系の先天的異常がその主な原因であると考えられるようになってきている。先天的とは、脳を形成する神経系の遺伝情報の異常と、遺伝子レベルには問題がない場合の胎生期の環境による発生の異常とを含んだ意味である。前者では、フェニー... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(29)・Ⅸ章 自閉症の生物学的研究
【要約】 《Ⅸ章 自閉症の生物学的研究》 【はじめに】 ・ここでは、自閉症の生物学的研究の歴史の概略にふれ、その後、臨床脳波、誘発電位、事象関連電位、画像診断、神経病理、生化学などの生物学的な研究を主に方法別に紹介するとともに、自閉症の臨床で日常なされている検査の意味などについても簡単に触れる。 ... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(28)・Ⅷ章 自閉症の薬物療法・2
【要約】 【2.薬物療法の実際】 1)薬物療法の主な対象 ・薬物療法の対象は、非特異的な情緒障害や異常行動、および自閉症に合併する精神医学的状態の2つに大別する。 ⑴非特異的な情緒障害や異常行動 ・パニック、自傷行動、攻撃行動、睡眠障害については薬物療法を早期に開始して症状をいくらか軽滅させつつ適... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(27)・Ⅷ章 自閉症の薬物療法・1
【要約】 《Ⅷ章 自閉症の薬物療法》 【はじめに】 ・薬物治療は自閉症の総合的な治療の中で一定の役割を果たすようになってきている。 ・「1.薬物療法の意義と問題点」の節では、理論的な説明がしてある。「2.薬物療法の実際」の節は、薬物療法の具体的なイメージアップに役立つと思われる。「3.主な薬物療法... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(26)・Ⅶ章 自閉症の治療と家族・2
【要約】 【4.家族への療育指導】 ・自閉症の発達過程には生物学的な要因の関与が大きいとはいえ、同時に環境要因が大きく影響する。治療者は、自閉症の子どもが個人個人のレベルに応じた自立を目指し、社会の中に受け入れられて生き生きと活動でき、同時に、家族員がそれぞれの能力を活かして充実した人生を送られる... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(25)・Ⅶ章 自閉症の治療と家族・1
【要約】 《Ⅶ章 自閉症の治療と家族》 【はじめに】 ・本章では、まず自閉症と家族の考え方の歴史を概略し、自閉症の親子関係について現在あるいは今後解決しなければならない課題を提起する。その後に、治療者としての観点から、自閉症児を持つ親への理解を深めるために、私たちの研究を紹介しつつ、親のストレスと... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(24)・Ⅵ章 認知発達治療の実践 東大デイケアの経験から・4
【要約】 3)2症例の治療効果の検討 ・2症例の子どもの発達的な変化と行動の改善は、「太田のStage評価」による認知発達の効果として考えることができる。 ・しかし、この2年間に、症例1では言語のみならず他の側面でもシンボル機能を獲得させることはできず、症例2では、基本的な比較の概念を獲得させるこ... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(23)・Ⅵ章 認知発達治療の実践 東大デイケアの経験から・3
【要約】 2)StageⅢ-1の症例(症例2) ⑴症例の概要 症例:N君(男子)は、4歳2か月で受診、小学校入学までの2年間通院した。主訴は、言葉の遅れ、きまりが多い、対人関係がうまくできない、であった。家族は、父、母、本児、弟の4人である。 現病歴:8か月頃、声をかけても振り向かないので変だと思... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(22)・Ⅵ章 認知発達治療の実践 東大デイケアの経験から・2
【要約】 【4.認知発達学習の実際・・ 症例を通して・・】 1)StageⅠの症例(症例1) ⑴症例の概要(Y君・男子 初診3歳9か月、小学校入学まで2年間通院) ・主訴:言葉が出てこない、言葉をかけても応じない、偏食が激しい、何でも口に入れてしまう。(家族は父、母、兄、本児) ・現病歴:出産時異... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(21)・Ⅵ章 認知発達治療の実践 東大デイケアの経験から・1
【要約】 《Ⅵ章 認知発達治療の実践 東大デイケアの経験から》 【はじめに】 ・この章では、東大精神神経科小児部のデイケアの概略を述べた後に、認知発達治療を行う治療者側の体制について説明する。そして、認知発達の異なる2症例を呈示する。また、認知発達治療を支えるために最も重要な役割をになう親との連携... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(20)・Ⅴ章 Stage別の認知発達治療・5
【要約】 【5.StageⅢ-2の治療教育】 ・Piagetの前操作期前半(健常児の3歳~4歳初め)に相応する。 ・文字や数が概念としての意味を持ち始め、従来の教育的な学習が可能となるが、子どもたちの「限定された枠組みでの理解」をいかに広げ柔軟にすることができるか、いかに自我発達を促すことができる... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(19)・Ⅴ章 Stage別の認知発達治療・4
【要約】 【4.StageⅢ-1の治療教育】 ・StageⅢ-1は、やっとシンボル表象的思考期に入ったばかりの時期で、健常児のほぼ2歳半前後に相応する。 1)StageⅢ-1の状態像 ・2語文以上を話す子どもが多くなるが、会話はほとんど成立しない。言葉かけの理解は、日常生活の中ではほとんど問題がな... 続きをみる
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「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(18)・Ⅴ章 Stage別の認知発達治療・3
【要約】 【3.StageⅡの治療教育】 ・StageⅡは、Piagetの感覚運動期からシンボル表象期への移行の時期にあたり、健常児の1歳半から2歳になるまでぐらいに相応する。 1)StageⅡの状態像 ・言葉(1~2、3語文)がある子どもが多くなる。しかし、その使用頻度は乏しく、言葉数も限られた... 続きをみる