梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2019年2月のブログ記事

  • 大衆演劇・「梅澤武生劇団」&「鹿島順一劇団」

     「梅澤武生劇団」の芝居に「二人団十郎」という演目がある。その筋書きは要するに、東北の田舎で市川団十郎を名乗る役者(梅澤富美男)と、本物の市川団十郎(梅澤武生)が対立する物語である。田舎の小屋主(梅澤智也)は先代の七回忌興業として、ともに先代が面倒を見た東北の団十郎と江戸の団十郎の競演を試みる。そ... 続きをみる

  • 「脊柱管狭窄症」・Ⅲ・《痛みナビ体操》

     昨年6月25日に「急性心筋梗塞」を発症してから、8か月が経過した。現在、「循環器内科」の検査結果は「順調」であり異状は認められない。しかし「自覚症状」は依然と持続している。第一に、食欲減退。食べられる量は以前の半分程度であり体重は10キロ近く低下、52キロを割りつつある。体力も不足気味で、朝8時... 続きをみる

  • 昭和の歌謡曲・5・二葉あき子の《歌唱力》

     二葉あき子の歌を聴いたことがあるだろうか。私が初めて彼女の歌を聴いたのは「夜のプラットホーム」(奥野椰子夫作詩・服部良一作曲・昭和21年)であった。昭和26年2月,当時6歳だった私は,父と祖母に連れられ,住み慣れた静岡から東京に向かうことになった。静岡には母の実家があった。満州で生まれた私は,す... 続きをみる

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  • 「脊柱管狭窄症」・Ⅱ・再診

     午前9時過ぎ、自宅近くまで来る○○中央病院の送迎バスに乗車、整形外科を受診する。バスは迂回に迂回を重ね、9時50分に病院到着、受付を済ませるとただちに脊柱のレントゲン撮影。それを済ませて診療室の前で待機。1時間ほどすると看護師が来て「腰部のレントゲンも撮ってきてください」。再びレントゲン室へ、待... 続きをみる

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  • 「脊柱管狭窄症」・Ⅰ・再発

     昨年6月末の「急性心筋梗塞」発症以来、まもなく8か月が過ぎようとしている。「体調は徐々に回復し、通常の生活が送れるようになった」と言いたいところだが、そうは問屋が卸さない。長く続いた不快感(吐き気、腹部膨満感、息切れ、胸痛)は軽減しつつあるが完全に消失したとはいえない。加えて、ほぼ6か月間消失し... 続きをみる

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  • 「死ぬ」ということ・3・《また「振り出し」へ》

     もうすぐ春だ。でもこの冬は、友人、知人、同世代を生きた知名人たちが「バタバタ」と斃れて逝った。これまでの「三人称の死」(他人の死)が、「二人称の死」(身近な君の死)になり、やがて「一人称の死」(私の死)になるはずだが、まだ(遺書を除いて)「自分の死」を記した人はいない。記そうにもその能力が喪失し... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・おわりに・「いくつかの留意点」

    おわりに 最後に、いくつかの留意点を話したいと思います。  ① 指導者は、自分の「声」が、子どもにとって「最も聞きやすい音」であるかどうか、つねに「確認」していなければなりません。私は、当初、指導の場面で「よーく、聞いてください」ということばを、何回も繰り返していました。それを見た、ある校長先生が... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・7・聴解力

    7 聴解力  さて、「聞く力」の最後の過程、その7は「聴解力」であります。「聴解力」は、これまで述べてきた「感度」「弁別力」「記銘力」「分析力」「統合力」「構成力」が総合化された能力だといえましょう。「音声言語」を聞いて、その意味(話し手の意図)を理解し、相手の考えや気持ちを「共感」できる能力です... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・6・構成力

    6 構成力  その6は「構成力」であります。単語や文の「一部」を聞いて、「全体」を「類推」する能力です。「音声言語」は、つねに「流動的」です。実際の場面では「言い誤り」「聞き取りにくさ」など「不完全」な情報になることは避けられません。そこで、その「不完全」を「補って聞く」能力が必要になりますが、そ... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・5・統合力

    5 統合力  その5は「統合力」であります。語音を「一音」ずつバラバラに聞いて、それらを「一語」に「まとめて」理解する能力です。「ツ」「ク」「エ」という音を二秒間隔で聞き、「机」という単語が浮かんでくるでしょうか。「統合力」は、「音」を一定時間、頭の中に記憶しなければなりませんので「記銘力」を土台... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・4・「分析力」

    4 分析力  その4は「分析力」であります。前にも述べたように、私たちは「音」を「時間」の中で「全体」として「感じ取り」ます。しかし、その「音」には「長短」の違いがあります。「全体」としては1語であっても、「ネコ」は2音、「カラス」は3音、「スベリダイ」は5音というように。つまり、その単語が「いく... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・3・「記銘力」

    3 記銘力  その3は、「記銘力」であります。特に、音声言語を聞いて、音の数や、その意味をいくつまで「憶えられるか」という能力です。知能検査には、「数の復唱」という課題があります。こちらが「3・5・8・4・2」などと言って、その通りに復唱させる検査ですが、それは「聞いて憶える能力」を測定しています... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・2・「弁別力」

    2 弁別力  その2は、「弁別力」であります。「音を聞き分ける」ということです。「感度」が正常であっても、「弁別力」には個人差があります。「弁別力」は、周囲の様々な音を聞き、それらの「差異」を聞き分け、分類する能力ですから、生まれつき備わっているものではなく、生後の「学習」によって身につくものです... 続きをみる

  • 《「聞く力」を育てるために》・1・「感度」

    谷俊治先生は、「聞く力」を七つの過程に分析して説明されておられます。 1 感度 その1は、「感度」であります。「どれくらい小さい音が聞こえるか」ということであり、いわゆる「聴力」であります。音は、物体が振動することによって生じます。それが空気を振動させ、その振動が人間の鼓膜に伝わり、内耳の聴覚神経... 続きをみる

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  • 「聞く力」を育てるために・序

        私は今、日本語を話しています。しかし、英語を話すことはできません。中学校、高校、大学と10年間も英語を勉強したはずなのに、英語を話すことはできません。なぜでしょうか。また、日本語は、特にとりたてて勉強したわけではないのに、気がつくと、話せるようになっていました。なぜでしょうか。  日本語を... 続きをみる

  • 「いい数字出るまで測る血圧計」(サラリーマン川柳・入選作)

     サラリーマン川柳の入選作に「いい数字出るまで測る血圧計」という秀作があった。まさに私にぴったりの句で、「よくぞ(私の思いを)詠ってくださった」と感謝している。血圧測定は朝夕の日課になっているが、昨日の朝は最高131 最低92 脈拍87を皮切りに、測れば測るほど上昇、ついに最高154 最低113 ... 続きをみる

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  • 昭和の歌謡曲・4・《作詞家・横井弘の「名品」》

     昭和男の哀しみを女々しく詠った代表は古賀政男だった。曰く「身は焦がれつつ忍び泣く」(「影を慕いて」1932年・昭和8年・歌・藤山一郎)。その伝統を戦後まで引き継いだのは高野公男と星野哲郎だったか。 高野は「別れの一本杉」(1955年・昭和30年・歌・春日八郎)で「泣けた泣けたこらえきれずに泣けた... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・指を動かす遊びをしましょう

    【2歳頃から3歳頃まで】   人間が他の動物に比べて決定的に異なることは「安定して二本足で歩ける」ことだといわれていますが、そのことによって人間は両手(前足)を自由に使いこなすことができるようになりました。火を使ったり、物(道具)を作ったり、絵や記号を描いたりすることができるのも、この手を自由に動... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・お子さんと遊びましょう・Ⅳ

    【2歳頃から3歳頃まで】  お子さんと遊ぶということは、「お子さんを遊ばせる」ことではありません。お子さんのために家事の仕事をしないで「お子さんを見守っている」ことでもありません。文字通り、お子さんと「一緒に何かをする」ことなのです。その時、お母さんはもうお母さんではなくなってしまうことが必要です... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・「できるのにやろうとしない子」と「できないのにやろうとする子」

    【2歳頃から3歳頃まで】  デパートのおもちゃ売り場でのできごとです。1歳半のAちゃんと2歳半のBちゃんが、乗り物コーナーの前にやって来ました。Aちゃんは、すぐに三輪車を見つけると「それに乗るんだ」という様子で必死です。お母さんは、まだ無理だからこっちにしなさいとブランコを勧めますが聞き入れません... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・「指しゃぶり」の意味

    【2歳頃から3歳頃まで】                             お子さんが「指しゃぶり」をするのは何故だと思いますか。それはひとことで言うと「さびしい」からです。心が満たされていないからです。「そんなはずはない。私は十分にかわいがっているつもりだし、ほしがるものはたいてい与えてい... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・「抱っこ」「添い寝」はいつまで?

    【2歳頃から3歳頃まで】  結論から申しますと、「抱っこ」や「添い寝」は、お子さんが「もういい」というまで続けるべきです。「抱っこ」や「添い寝」をやめる時期は、お母さんではなくお子さんが決めることなのです。  「そんなことをしたら、いつまでたってもやめられない」とお母さんは思うかもしれません。それ... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・「おもらし」について

    【2歳頃から3歳頃まで】  お子さんが「おもらし」をしてしまいました。そんな時、お母さんはどんなことを感じますか。また、どんなことを考えますか。「ああ、もうイヤになっちゃう。また洗濯物がふえちゃった。いつになったら教えるようになるのかしら」と溜息がでるかもしれません。「となりの○○チャンは、もうず... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・「ゴロゴロ」「ウロウロ」行動の意味

    【2歳頃から3歳頃まで】  お子さんがたいへん静かにしているので、ふと気がつくと部屋の隅やテーブルの下などでゴロゴロと寝そべっていたりすることはありませんか。どう考えても眠いはずはないのに、ゴロゴロと寝そべりたがることはありませんか。あるいは、意味もなく部屋の中をウロウロ歩き回ったりしていることは... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・「むずかり」や「反抗」

    【2歳頃から3歳頃まで】  このごろのお子さんの様子を見てみると、以前に比べてどうも素直でなくなってきたというようなことが気になりませんか。靴下をはかせようとすると、前はおとなしくはかせてもらっていたのに、このごろは自分ではくと言って聞かない。「じゃあ自分でやってごらん」と言うと、うまくはけないで... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅳ・お子さんの「行動」を観察しましょう

    【2歳頃から3歳頃まで】  お子さんは2歳になりました。「わが子は耳のきこえが悪い」という思いは、いっときもお母さんの心からはなれず、毎日が「心配」と「あせり」の連続であるかもしれません。とりわけ2歳ともなると、他の子どもはずいぶんとしっかりしてきて「何でもできる」ように思われ、わが子の「未熟さ」... 続きをみる

  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・お母さんの「話しかけ」

    【1歳頃から2歳頃まで】                              ことばは、生まれつき人間にそなわっているものではありません。だから、子どもはおとなのことばを「学ぶ」ことによって初めて身につけることができるのです。お父さんやお母さんの「話しことば」をお手本として聞きながら、それを... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・お子さんに「お手伝い」をしてもらいましょう

    【1歳頃から2歳頃まで】  このころのお子さんは、おとなのすることを何でもまねします。「まね」は、お子さんの成長・発達にとって必要不可欠であることは、すでに述べました。そこで、今度はその「まね」を単なる「まね」に終わらせないで、ひとつの「仕事」へと高めていくことを考えてみてはいかがでしょう。  「... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・ことばがはっきりしません

    【1歳頃から2歳頃まで】  どんな子どもでも、ことばを話しはじめたその時から誰にでもわかるようにはっきり話すということはありません。はじめは、ただ声を出すだけであり、その声が次第にことばらしくなっていくのです。耳が普通にきこえる子どもでも、私たちおとなと全く同じように話せるようになるためには5年間... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・絵本を見せましょう

    【1歳頃から2歳頃まで】  お母さんが絵本を読んであげようと思って、お子さんをひざの上にのせ、最初のページを読みはじめました。ところがどうしたことでしょう。お子さんはまだそのページを読み終わらないうちに、次のページをめくろうとするのです。「何だかこの子は絵本を見るよりめくる方がおもしろいみたい」、... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・お子さんと遊びましょう・Ⅲ

    【1歳頃から2歳頃まで】  お子さんにとって一番大切なことは、「音に対して敏感になる」「音に対して気持ちを集中させる」ということです。しかし、お子さんの前でいろいろな音を出してみたところで、「敏感になったか」「気持ちを集中させているか」どうかはわかりません。「よく聞いてごらん」と言ってもても、「聞... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・「指さし」をしますか?

    【1歳頃から2歳頃まで】  「あんよ」ができるようになると、お子さんは自由にあたりを動き回ることができるようになり、いろいろな事物に対する興味・関心は、今までとは比べものにならないほど増大します。もう、思ったところへ行くことができ、さわりたいものを思う存分いじることができるのです。「いたずら」の量... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・「聞こえない」ことと「聞こうとしない」ことの違い

    【1歳頃から2歳頃まで】   名前を呼んでも振り返らない、話しかけても反応がない、ことばを全然おぼえない、聞きわけがなくしつけができない、言いたいことをことばで表せない、といった「事実」があると、まず疑ってみるのは「耳のきこえ」です。そして事実、そのような場合には、いずれにせよ「耳のきこえ」に問題... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・「たっち」「あんよ」はできますか

    【1歳頃から2歳頃まで】  早いもので、赤ちゃんが生まれてからもう1年が過ぎました。静かに目をつぶると、お母さんの頭の中には赤ちゃんとのさまざまな情景が走馬燈のように浮かんでくるでしょう。その思い出がお母さんにとって楽しいものであればあるほど、赤ちゃんは順調に育っているのです。しかし、お母さんによ... 続きをみる

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  • 「死ぬ」ということ・2・《悲報》

     つい1か月前(1月9日)、私は〈そうか、そうか、K君は健在か、訃報は無しか!私は「一気に」元気を取り戻した。K君も(元気とはいえないが)生きている、オレだって「もう少し」がんばらなければならない。そしてK君と再会したい。でもそれは無理だろう。お互いに年を取り過ぎた。今はただK君の健在を寿ぎ、「あ... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅲ・お母さん大好き、補聴器も大好き

    【1歳頃から2歳頃まで】  お子さんの「きこえの問題」が、「聞こうとしない」ではなく「普通のようには聞こえない」ということがはっきりしたら、補聴器をつける必要があります。しかし、「普通のようには聞こえない」といっても、それがどのような状態であるかは千差万別であり、補聴器をつければ「普通のように聞こ... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅱ・「ことば」がなかなか出てきません

    【3ヶ月頃から12ヶ月頃まで】  赤ちゃんが生まれてからはじめてことばを言えるようになるには、通常1年間の時間が必要です。しかし、その時間は赤ちゃんによってずいぶん差があり、10ヶ月頃にはもう片言をしゃべれるようになる赤ちゃんもいれば、1歳半頃になってやっとことばが出てくる赤ちゃんもいます。1歳半... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅱ・赤ちゃんと遊びましょう・Ⅱ

    【3ヶ月頃から12ヶ月頃まで】  この頃の赤ちゃんの活動で特徴的なことは、「物を取って渡す」ということです。したがって、赤ちゃんと二人で物をあげたりもらったりする遊びをしながら、その中に適当な「声」や「ことば」を混ぜていき、相手のすることや言うことを、情報として受けとめていこうとする気持ちを育てて... 続きをみる

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  • 乳幼児の育て方・Ⅱ・「まね」と「おいた」

    【3ヶ月頃から12ヶ月頃まで】  赤ちゃんがスヤスヤと眠っています。そんな時、赤ちゃんの身の回りに並べられたおもちゃの数々をながめてみて下さい。そのひとつひとつのおもちゃを見ているだけで、お母さんの脳裏にはさまざまな赤ちゃんの情景が浮かんでくることでしょう。そう言えば、最近、赤ちゃんがあまりそれら... 続きをみる

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