梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「させていただく」な!

 国会中継や記者会見などで、議員がやたらと「○○させていただく」という文言を使うことが鼻につく。議員は選挙民に選ばれて「議員にさせていただいて」いるのだから当然かも知れないが、「説明させていただく」だとか「使わせていただく」だとか、「調べさせていただく」だとか、自分の行為まで「させていただく」のはいかがなものか。
 「させていただく」を多用するのは、自分は「国民に奉仕している」という姿勢を印象づけるためだろうが、普段の生活・言動とは真逆なだけに、片腹痛い。バッチをひけらかし、まわりから「先生」などと呼ばれて悦に逝っている連中が、口先だけ「させていただく」などと謙虚なそぶりを見「せても、誰も信用しない。
議員の皆さん、「○○させていただく」なら、もっと謙虚になりなさい。もっと質素になりなさい。国民の平均的な生活レベル以下を目指して、さわやかに暮らしなさい。あなたがたは、「全体の奉仕者」です。国民の権力に従う義務があるのです。「主権在民」の意味、理念をくれぐれも忘れないように。
(2024.3.2)