梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2019年12月のブログ記事

  • 「睨み返し」

     大晦日を詠んだ江戸川柳に、以下の句がある。 ■大晦日ますますこわい顔になり ■大晦日猫はとうとう蹴飛ばされ ■押し入れで息を殺して大晦日 ■大晦日もうこれまでと首縊り ■元日や今年もあるぞ大晦日  私はそれを「睨み返し」という落語で学んだ。「睨み返し」は、数少ない《見せる噺》だ。大晦日の日、押し... 続きをみる

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  • 私の《病状管理》・6

     今日は大晦日、1年を締めくくる日である。私もいいかげん病状を締めくくりたいところだが、そうは問屋が卸さない。この病状は来年まで持ち越して、持ち越して・・・、死ぬまで終わることはあるまい。そこで、ともかくも当面の病状、《下血》の経緯について以下のようにまとめてみた。それを辿れば、一目瞭然、《下血》... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・29

    《其一石城国造》 【要点】  陸奥の石城氏は、天津彦根命の後裔と称している。しかし、常陸風土多珂郡條記に「古老曰、斯我高穴穂宮大八州照臨天皇之世、以建御狭日命任多珂国造、茲人初至、歴験地体以為峰剣岳崇因名多珂之国、建御狭日命当所遣時以久慈堺之助河為道前、陸奥国石城郡苦麻之村、為道後其後至難波長柄豊... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・28

    《第六節 国造と多祖> 【要点】  記伝七には「国造は何れも久邇能美夜都古と訓べし。其由はまづ上代に、諸仕奉人等を総挙るには、臣連伴造国造と並云へり。又敏達巻に、臣連二造とも有て、二造者国造伴造と註せり。さてその国造は諸国にてその国の上として、各其国を治る人を云戸なり」とあり、倭訓栞には「後世の国... 続きをみる

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  • 私の《病状管理》・5

     ここ連日、病院通いが続いている。今日は予定日ではなかったが、朝の排便時、下血があったので、とりあえず8日間入院していた駅前病院の内科を受診した。担当医に「入院中はお世話になりました」とあいさつをしたが、それには応じず、「また出血しましたか」と表情を曇らせる。どうやら(昨日届けた)大学病院からの手... 続きをみる

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  • 私の《病状管理》・4

     今日は大学病院皮膚科の予約日である。本来は3日前(24日)だったが駅前病院に入院中のため今日に延期された。入院の経緯を聞いた後、担当医は、私の腕、背中を視診すると「だいぶよくなっていますね。飲み薬はアレロック(抗アレルギー薬)だけにしましょう。この薬は飲み合わせもありません。3週間後、また来てく... 続きをみる

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  • 私の《病状管理》・3

     8日間の入院治療を終え、一段落ついたと思ったが、そうは問屋が卸さなかった。朝(6時)、排便の後、鮮血がほとばしったのだ。やれやれ、今までの苦労も水の泡、また振り出しに戻ったか。入院中は一切そういうことはなかったのに・・・。担当医も看護師もさわやかに「お疲れ様でした」と送り出してくれたのに・・・。... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い・7

     今日の午前10時、駅前の病院から退院することができた。この病院は80年余の歴史があり、地域でも有名だ。医師、看護師、薬剤師、看護助手、ヘルパー、事務職員、調理師、調理員、清掃員に至るまでベテラン揃いだが、それだけにチーム・ワークという点では難がある。つまり、各自が自分の実力を信じて「協力・連携」... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い・6

     午後4時30分過ぎに、担当医が病室に来訪、「特に変わりはないですか」「はい」「お腹は痛くないですか」「はい」「では、予定通り明日退院ということにします」「ありがとうございます」「週末から普通食にしていいです。薬は1か月分だしますので、無くなり次第、循環器内科(主治医)の先生にもらってください、で... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い・5

     入院6日目となった。この間、血尿、下血はない。4日間の絶食と「点滴治療」により症状は治まりつつあるのだろう。昨日昼から流動食、夕食は三分粥、今日の朝、昼は五分粥になったが、点滴治療(2本1回)も続けている。昼過ぎに担当医が回診、「どうですか?」「変わりはありません」、腹部を触診して「痛くはありま... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い・4

     今日で入院5日目となった。これまでの経過をふりかえると、入院当日は「血液検査」「腹部CT検査」「尿検査」、2日目は「腹部エコー検査」、3日目は「心臓エコー検査」、4日目は再度「血液検査」、まさに検査、検査のオンパレードだが、いずれも大腸からの出血原因を究明するため、あわせて心筋梗塞の兆候を探るた... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い・3

     朝の検診時、看護師から「今日は心臓エコー検査があります」と告げられた。担当医が念のために指示したのだろう。何時からかは看護師にもわからないようで、「検査室から連絡があり次第、お呼びします」ということだったが、結局、午前中には何の連絡もなかった。このぶんだと午後1時半過ぎだな、と思っていると、案の... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い・2

     病室ベッドに備えられた布団が1枚だったためか、未明からぞくぞくと寒気がしてきた。同時に胸苦しさもある。しばらく安静にしていたが治まりそうもないので、午前3時頃ナースコールをした。しかし応答がないので、ナースステーションに赴く。しかし、そこには誰もいなかった。廊下の先に点灯している病室があったので... 続きをみる

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  • 出血性大腸憩室症の疑い

     12月12日からほぼ一日おきに下血(1日1~3回)が続いていたが、今日は排便を伴わない単独の下血だったので、駅前病院の内科を受診した。この症状は1か月余り前(11月2日)にもあったので、いわば経験済み。その時は担当医から入院治療を勧められたが、その準備をしてこなかったので、2時間ほどの「点滴」と... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・27

    ⑷氏別調査 【要点】  多祖検出の基礎となるものは氏別調査である。姓氏録収載の1182氏の中には、多くの同氏を含んでいるが、その氏別数についてはまだ先人の説あるを知らない。印本の末尾、後人の書入と思われるものに、不載姓氏録姓として平氏以下を載せ、「巳上三十一氏不見之○」(四百三十六姓云々現在四百三... 続きをみる

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  • 私の《病状管理》・2

     明日は大学病院皮膚科の診察日だ。「多形紅斑」の症状は、ほぼ治まりつつある。私はほぼ半月前(11月28日)、以下のように綴った。 〈「吐き気」「胸やけ」「腹部膨張感」「食欲不振」そして「薬疹」・・・、本来の疾病は「高血圧症」「動脈硬化」「心筋梗塞」であったが、その治療薬が様々な副作用をもたらしてい... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・26

    B 招婿始祖 【要点】  古系譜に始祖または祖とあるものの中には、きわめて特異な古風な記法がある。例えば現存の最古のものであるという和気氏系図をみよう。 《武国》【凝別皇子】(伊予国御村別祖貞観8年改又□乙木□讃岐因支首等始祖)・・津守別命・・和○乃別命(之)・・子阿佐乃別命(之)・・子弟子乃命(... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・25 

    ⑶古系譜の記法 【要点】  多祖検出に必要と思われる主要な一二の記法についてみよう。 A 転移系譜 ある皇別または神別等の系が、いくつかの女家を転移しながら引かれる系譜であって、その系譜の特徴は、その各女家の名が系譜面に反映していることである。例えば、中臣氏系譜に宇佐津臣、伊香津臣とある。すべて招... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・24

    《第五節 多祖の検出法》 【要点】 ⑴発見の機縁 私は古事記および国史の類を読んで、上代における母系的遺習のきわめて濃厚な印象を得ていた。けれども、それはあくまで印象にとどまるもので、証とすべき何等の物もなかった。強いて云えば、母子の同名、夫婦の別居、男子の裔が各地に散在すること、父に子多き時いず... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・23

    《異系の多祖》 【要点】  異系多祖は文献上きわめて多く、採集も容易である。現存の諸氏系図には改竄の跡が多く、上代末期頃、支那の祖先崇拝思想に影響された諸名族の間では、祖先の整理を行って一族一祖とする努力の跡も見られないではないが、不用意の間には、なお上古の痕跡を残しているから、此方の研究は比較的... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・22

    《同系の多祖》 【要点】  (前節によって)中央の支配諸族が、しきりに諸地方の族または諸蕃系と相交わって、祖変を起こさしめ、自祖下に結合せんとする氏作りの現象を見たが、この場合の婚姻工作を如実に反映するものに、同系多祖がある。同系多祖とは、一腹の兄弟がそろって同じ名の某氏の祖と称している場合、ある... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・21

    《多祖発生の機縁》 【要点】  多祖発生の機縁が奈辺にあったかの研究は、同時に、当時の婚姻関係がいかなる族間、または階級間に行われたかの説明になろう。大体において、次の5種にわけて観察することができる。 ⑴中央貴族と地方豪族  息長氏が古来多くの名祖を得たのは、近江地方における巨然たる豪族であった... 続きをみる

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