梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2017年4月のブログ記事

  • 三人のお母さん

     ある土曜日、電車の中の風景。ベビーカーから弾けるように抜けだして、辺りを歩き回ろうとする一歳の女児、「危ないからダメ」と抱き止めようとするお母さんの手を振りほどいて、逃げ回る。とうとう捕まってベビーカーに収容されたが、今度は大声をあげて泣き叫ぶ。もう一人のお母さんがその様子を見て、女児をあやし始... 続きをみる

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  • 「美空ひばり節」考・《未完》

     詩人サトウハチローは,少女時代の美空ひばりを評して「化け物」といったそうだが,まさに美空ひばりの芸術は「化け物」のそれに他ならなかった。当時の子どもたちは,川田孝子,古賀さと子,小鳩くるみ,松島トモ子らの童謡をレコードやラジオで聞かされて育っていたのであり,美空ひばりの流行歌などを楽しむことは御... 続きをみる

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  • 道徳「教科化」の《問題点》・学校教育の《誤り》

     東京新聞朝刊(1面)に、「難しい心の評価 道徳教科化 指導要領改定案」という見出しのトップ記事が載っている。その内容を要約すると、以下の通りである。 ①文部科学省は4日、現在は小中学校の教科外活動の道徳を、正式な教科とする学習指導要領の改定案を公表した。 ②文科省は「教材を読むだけの読み物道徳か... 続きをみる

  • 徳育の「根幹」

      「徳育」(道徳教育)を教科に位置づけても、すべての子供たちに高い規範意識を身につけさせることはできない。なぜなら、そのためには、すべての大人たちが高い規範意識を身につけていることが前提であり、まず大人の社会が子供の「手本」にならなければならないからである。しかし、規範意識に欠ける大人の行動が社... 続きをみる

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  • 道徳「教科化」(学習指導要領改訂案)の《誤り》

     文部科学省は、「道徳」の学習内容に、「節度、節制」「親切、思いやり」「国や郷土を愛する態度」「生命の尊さ」といった徳目(キーワード)を加え、《教科化》するという「学習指導要領改定案」を公表した。しかし、それは、「教科別の指導」と「領域の指導」を混同しているという点で、《完全な誤り》である。「教科... 続きをみる