梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2019年10月のブログ記事

  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・10 

    第三節 大化改新後の家族制 【要点】 《家族制度の語義》  本書に家族制度というのは、正確には、父系的家族制度の意である。(略)  モルガンの古代社会によれば、⑴血縁家族、⑵プナルア家族、⑶偶婚時代、⑷一夫一婦家族というように、人類が経てきた幾つかの集団形態があり、この中、偶婚時代まではだいたい母... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・9

    《氏姓の紛争》 【要点】  氏姓の紛争はその裏面に潜む何等かの利害関係に由来するものであるが、わが国史上にあっては、その実相を確証するに足る記録は乏しい。しかし、だいたい次のような場合を考えることはできる。それは部民または賤民、あるいは地位低い自由民、首長等が、その所属する環境より脱しようとして、... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・8

    第二節 孝徳天皇の詔を通して窺われる当時の一般族制 【要点】 ・孝徳天皇の詔中、直接族制に関係あるものは、大化元年紀の男女之法、同二年紀の妻妾の関する件、及び同紀八月條に見えている部曲制廃止のそれである。この中、当時の一般族制を最もよく窺わしめるものとして、最後の部曲廃止の詔を、ここに考察してみた... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・7

    《母家単位》 【要点】 ・婿入婚を条件とする一夫多妻婚は、各母家を根拠として行われた。大国主命の国作りは、その母出雲の稲田姫の居及び族を根拠として行われ、その御父素戔嗚尊の活動も御母の根国を根拠としている。宣長は古事記伝21、安寧天皇條に、皇居浮穴宮の所在を、御母なる師木縣主祖河俣昆売の居と御同所... 続きをみる

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  • N子先生の《名文》

     押し入れから中学校時代の「学校新聞」が出てきた。そこには、N子先生の寄稿が載っている。先生は理科の教科担任だったが、放課後、私の駄文に目を通してくださり、丁寧な寸評まで加えてくださった。今、先生の達文を読み返し、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思った。以下は、今からちょうど40年前に綴られた... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・6

    第二編 本論 序章 本論理解に必要なる若干の基礎的考察 第一節 上代の婚姻制   【要点】 ・我が国上代の婚姻制が婿入婚(招婿婚)であったことは、既に今日では学会においても定説となっているようである。(略) 《招婿婚の文献》 ・本居宣長:古事記伝23 崇神天皇條「万葉4 君家爾吾住」「古今恋4 恋... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・5

    第四章 本書の方法   【要点】  (略・私は文献中心の方法を通して系譜研究の四方法を採った) その各方法について主旨を次に述べる。 ⑴多祖の研究 我が国古代系譜の特徴とし一氏多祖の現象がある。同一の氏に属し、同一の氏名をもち、同一の居所、同一の職に従う氏人が、各自相異なる数祖を奉じて出自としてい... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・4

    【要点】 第三章 本書の材料 ・本書の研究に用いた史料はこれを二つに分けることができる。その一は新撰姓氏録であり、その二は凡そ中古以前の全文献より右の姓氏録中心の氏族に関する系譜的記録を採集したものである。 第一節 新撰姓氏録 《姓氏録の史料的価値》 ・平田篤胤が、古史徴開題記に、「記紀二典の事実... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・3

    【要点】 第二節 本書における母系制研究 ・本書において母系制というのは、母を中心として形成される親族制度の義である。例えば、支那の古文献に散見する女子国、女国等の語は、この制度と何等かの関係において考えることができるものであろう。(略)魏志の記述では、我が国も女王国の一であって、その制度は(唐書... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・2

    母系制の研究 第一篇 緒論 第一章 女性史の目的  【要点】 第一節 女性史とは何か ・女性の立場による歴史研究の学問である、と答えてもよいと考える。 第二節 女性史研究の沿革 ・我が国に女性史が生まれたのは、明治以後のことであるが、その端緒は、大日本史にある。それは内容を本紀と列伝とに大別し、本... 続きをみる

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  • 「高群逸枝全集 第一巻 母系制の研究」(理論社・1966年)通読・1

    例言 【要点】 一 本書「母系制の研究」は、それ自身として完全に独立した一書である。ただ、著者は母系制研究の一環として、別に「招婿婚の研究」を出したから、この両書は当然姉妹巻をなす。この両書は、著者の大日本女性史全五巻計画のなかにあって、その一・二巻にあたる。「母系制の研究」は、著者の処女作で、昭... 続きをみる

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  • エスカレーターは階段ではない

     エスカレーターは本来、エレベーター同様、階段の昇降に支障が生じている人たちのためにある。だから、健康、体力に自信のある者は、階段を昇降するべきである。しかし、現状では、駅構内、デパート、その他の娯楽・遊興施設などの至るところに、エスカレータ(動く歩道も)が設置されている。場所によってはエスカレー... 続きをみる

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  • テレビのCMに登場する子どもたちの《出演料》

     子どものための「児童憲章」は、1951年5月5日に制定された。その全文は以下の通りである。  《われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。 児童は、人として尊ばれる。 児童は、社会の一員として重んぜられる。 児童は、... 続きをみる

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  • 若者は立て

    若者は立て 年寄りを立たせて恥ずかしくないか 若者よ、周囲を見まわせ 目をしっかり開けて、周囲を見まわせ 自分よりも弱い者を立たせて恥ずかしくないか 若者よ、君が座らなければ、君より弱い者が座れる 「弱肉強食」の時代を超えろ 「優勝劣敗」の世界も卒業だ 若者よ、大人たちの振る舞いをまねるな 若者よ... 続きをみる

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  • 「大腸カメラ検査」・4

     「大腸カメラ検査」でポリープを切除、入院2日目の早朝(5時30分)、液状の血便が出た。昨晩、看護師から「今日から明日にかけての排尿便の回数を数えておいてください」と言われていたので、数えてみると、検査前の排便5回、検査後の排尿12回、検査後の排便3回であった。昨日の朝から絶食、昼から点滴を続けて... 続きをみる

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  • 「大腸カメラ検査」・3

     「大腸カメラ検査」の当日となった。私はほぼ20年前に、市立病院で大腸ポリープの切除手術を受けている。その時は、事前に(レントゲン検査で)ポリープが確認されていたので、内視鏡を挿入して3個のポリープが切除された。今回は「検査」なので、悪性腫瘍やポリープ、その他の疾患の有無を確かめ、もしポリープが見... 続きをみる

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  • 「大腸カメラ検査」・2

     いよいよ明日は「大腸カメラ検査」の日である。昨夜に下剤(プルゼニド)を服用、今日は朝から検査食を摂る。朝食は「鶏と卵の雑炊」、午前10時に200ミリリットルの水を飲む。昼食はゼリーミール2個とビスケット、夕食は「煮込みハンバーグ」と「白がゆ」、午後7時に200ミリリットルの水、午後10時に下剤(... 続きをみる

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  • 「Eosino%」・2

     4日前、大学病院の皮膚科医(女医)から「血液検査の結果を見ると、Eosino%の値が高くなっています。アレルギー反応であることはたしかなようです。原因は不明ですが、とりあえず、昨日より強い内服薬(プレドニン錠5mg)と塗り薬(アンテベート軟膏+ヒルドイドソフト軟膏)を4日分出しますので、次は10... 続きをみる

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