梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

昭和万葉集・98・「木浦の涙」

98「木浦の涙」(詞・文一石 曲・孫牧人 歌・李蘭影)
《寸感》
 日本統治時代の1935年に発売され、朝鮮全土で一躍大ヒットし、湖南地方の南端に位置する港町・木浦を全国的に知らしめた。そして木浦出身で当時10代後半だった新人歌手の李蘭影は一気にスター歌手へと上りつめた。(略)歌詞を一見すると、木浦を舞台にした別れのラブソングのように感じられるが、日本の植民地下で苦悩した朝鮮民族の悲哀が所々に散りばめられている。(略)李蘭影は1936年から38年にかけて岡蘭子の名前でテイチクレコードから日本語のレコードを出している。(大和泰彦)
(2024.1.25)