梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2023年のブログ記事

2023年(ムラゴンブログ全体)
  • 袴田事件・司法の責任

     「・・・元ボクサー袴田巌さんの再審が始まった。57年前の強盗殺人事件で死刑判決を受けたが、裁判をやり直す以上は無罪の公算が大きい。」(東京新聞10月28日朝刊「筆洗」)  この再審で、もし無罪が確定したとなると、ただではすまされない。57年にわたって袴田さんを苦しめた「司法の裁き」そのものが裁か... 続きをみる

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  • 79回目の誕生日

     今日は79回目の誕生日である。去年もそうだったが、「よくも長生きしたものだ」という気持ちでいっぱいだ。同世代の人々が、次々と旅立って逝くのを見ると、言いようのない寂しさにおそわれる。小林旭は「いい奴ばかりが先にゆく どうでもいいのが残される」(「惚れた女が死んだ夜は」(詞・みなみ大介 曲・杉本真... 続きをみる

  • ある店舗の話

     駅前にあった鯛焼き店が閉じ、かわりに、(全国に店舗を持つ有名な)貴金属の買い取り業者が店を出した。その直後から、店の名前を染め抜いた半被を着た男たちが、駅の西口・東口付近にたむろして、通行人にティッシュを配る姿が目立ち始めた。男たちは猫なで声で年配者に近づき、ティッシュを差し出しながら、「テレカ... 続きをみる

  • 「戦後78年 ℤ世代と戦争」

     NHKプラスで、8月15日に放送された「NHKスペシャル 戦後78年Z世代と戦争」を観た。Z世代3000人に実施したアンケートの結果をもとに、Z世代12人と専門家が、戦争について話し合うという内容であった。アンケートでは「今後10年以内に日本が戦争に巻き込まれる可能性はあるか」には「ある」、「戦... 続きをみる

  • 「終戦の日」

     今日は「終戦の日」である。1945年8月15日、天皇はポツダム宣言を受諾し「無条件降伏」を公表した。日本は「先の大戦」で敗北したのである。だから、「敗戦の日」と言った方が正確かも知れない。だがしかし、敗戦と言わずにあえて「終戦」と言うところに意味がある、と私は思う。このときの「戦」とは、どの戦争... 続きをみる

  • 市川猿之助の《問題》

     心中を図り、両親を死なせたとして「自殺幇助罪」で起訴された市川猿之助が保釈され、報道陣の前に姿を現した。彼らは、その容貌を見て「眼差しに精彩がない」だの「髪の毛が伸びている」だの、「無言のまま一礼」などと、凡庸な寸評を加えているが、そんなことは「当たり前」の話である。保釈されたからといって、晴れ... 続きをみる

  • タブレット純の《魅力》

     タブレット純は、知る人ぞ知る、女装のお笑い芸人である。かつて歌手・田渕純として「和田弘とマヒナスターズ」に属したこともあったが、解散後、浅草東洋館に出演する時にタブレット純と改名した。「ムード歌謡漫談」というジャンルを開発し、昭和世代に根強い人気がある。語り口は女性的で、小声の控えめ、受けようと... 続きをみる

  • 戦争が起きたら国・地域のために戦うか

     「東京新聞」朝刊(4面・国際・総合)に《不安な世界 兵役手放せず ウクライナ侵攻受け 軍人求める》という見出しの記事が載っている。冷戦後、欧州を中心に徴兵制廃止の動きが加速したが、2014年、ロシアのウクライナ南部クリミア半島併合で流れが一転、リトアニア、スウェーデンなどで徴兵制が復活した、との... 続きをみる

  • 市川猿之助の《前途》

     東京新聞朝刊に週刊誌「女性セブン」(小学館)の広告が載っている。そこには《独走スクープ全内幕 逮捕の奈落 市川猿之助(47) 親に手をかけたのは「セクハラ叱られたくなかった」》という見出しが記されていた。件のセクハラをスクープしたのも他ならぬ「女性セブン」であるところをみると、この小学館という出... 続きをみる

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  • 「旅はまだ終わらない」(かんじゅく座・第16回公演)

     オンラインで、かんじゅく座第16回公演「旅はまだ終わらない~ステージ4から這い上がった男の物語~」を観た。この芝居の中心人物、「みやじまとおる」は、「人生の勝ち組を誇る老年の男性」だが、彼の「旅」も、彼の「病気」(大腸がん)と同様にステージ4にさしかかったようである。 ステージ1は、言うまでもな... 続きをみる

  • 自衛隊の《戦闘訓練》

     「東京新聞」6月15日付け朝刊(1面)に「自衛官候補発砲 2人死亡1人ケガ 18歳容疑者、叱責の直後 岐阜・射撃訓練中」という見出しの記事が載った。記事(の一部)には〈男と撃たれた三人はいずれも守山駐屯地(名古屋市〉所属で、亡くなったのは二十五歳と五十二歳の隊員。男は、教官だった五十二歳の隊員に... 続きをみる

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  • 学校教育の荒廃

     昨日の「日テレニュース」に以下の記事が載っている。 《中学校教諭の男を殺人などで起訴 江戸川区男性殺害》 〈今年2月、東京・江戸川区の住宅で63歳の男性が殺害された事件で、逮捕された中学校教諭の男が31日、殺人などの罪で起訴されました。 今年2月、江戸川区の住宅でこの家に住む山岸正文さんを殺害し... 続きをみる

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  • 俳人・金子兜太氏の《卓見》

     「東京新聞」朝刊(26面)、土曜プレミアム・アーカイブ「再読 あの言葉」に、2009年8月7日夕刊に掲載された、俳人・金子兜太氏へのインタビュー記事が載っている。見出しは「命を書くことが戦争への抵抗力」。金子氏は《埼玉県出身。1943年東京帝大経済学部を卒業、日本銀行に入行、44年、海軍主計中尉... 続きをみる

  • 江戸川殺人 教諭逮捕から1週間

     殺害容疑で江戸川区の中学教諭が逮捕されてから1週間が経った。しかし、事件の真相は一向に明かされない、教諭自身が黙秘を続けているからである。新聞報道(東京新聞5月17日付け朝刊)によれば、教諭と被害者の「二人にどんな接点があったのか、なかなか見えてこない」と警視庁の捜査幹部が漏らしているそうだ。二... 続きをみる

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  • 中学校教員の《殺人容疑》

     信じられないことだが、中学校教員の殺人容疑は深まったようだ。本人は取り調べに対して黙秘しているそうだが、もし無実ならば堂々と応じればよいのだから・・・。  そして、これもまた信じられないことだが、その教員が10年以上も特別支援教育に携わってきており、しかも校長から教員の「手本」として高い評価を受... 続きをみる

  • 「中学教諭 殺人疑い逮捕」

     東京新聞5月11日付け朝刊23面に、衝撃的な記事が載った。「中学教諭 殺人疑い逮捕」という見出しである。にわかには信じがたいが、今年の2月、江戸川区の住宅で、住人の男性が刃物で切りつけられ、殺害された事件の容疑者として中学教諭が昨日10日に逮捕された、ということである。その教諭は12年間、特別支... 続きをみる

  • 人生はやり直せる

     東京新聞5月7日付け朝刊3面「この人」欄に「山谷で清掃活動を続ける元受刑者 藤澤丈明さん(73)」というタイトルで以下の記事が載っている。 〈東京・山谷でボランティアの清掃を約3年半、続けている。「路上のごみを拾って、見知らぬ人に感謝されると、うれしい」。週1回、空き缶や紙くず、たばこの吸い殻を... 続きをみる

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  • 新型コロナワクチンの《効能》

     今日の東京新聞朝刊2面、3面に週刊誌の広告が載っている。そこには以下のような文言が見える。《「接種後死亡」1カ月で47件増加 コロナワクチン「不都合なデータ」から目を背ける「河野太郎」の妄言 河野大臣がファイザー初期治験結果で安全性を謳う愚 「データ不開示を取り消せ」ついに国を訴える福島名誉教授... 続きをみる

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  • 新型コロナ「2類相当から5類へ」の《根拠》

     政府は「新型コロナウィルス感染症」の位置づけを「2類相当」から「5類」に引き下げることを決定した。その根拠は何か。  私はこれまで厚生労働省ホームページで示される数値をエクセル入力して、「陽性者数」「入院治療を要する者の数」「重症者数」「一日当たりの新規死者数」の推移を見てきた。そのグラフは以下... 続きをみる

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  • 尾身茂会長のインタビュー

     1月13日夜のNHKニュース番組で「尾身会長に聞く」というインタビューが放映された。コロナ感染から1か月後、尾身会長は「突然」姿を現したことになる。私は昨年12月末に「おそらく「重症化」することなく「軽快」しただろうと想像はできるが、報道関係者も沈黙を続けているのはなぜか。」と書いたが、その想像... 続きをみる

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  • 「コロナ死者過去最多」

    「東京新聞」1月13日付け朝刊1面のトップ記事の見出しは「コロナ死者過去最多 なぜ更新」「『未把握の感染者』増影響」「専門家『第7波超えている』「死者の高齢化強まる 都内、97%が60代以上」「ワクチン接種伸び悩みも一因」であった。  その内容は要するに、①(現在、第8波の渦中にあるが)死者数は第... 続きをみる

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  • 尾身茂会長の《異常事態》

     政府の新型コロナウィルス感染症対策分科会の尾身茂会長がコロナに感染してから1か月が経過したが、いまだに感染後の様子について全く音沙汰がないのはどうしたことか。 私は昨年12月末(23日)にも以下の駄文を綴った。   〈政府の新型コロナウィルス感染症対策分科会の尾身茂会長がコロナに感染してから10... 続きをみる

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  • 専門家の「見解」

     1月7日の「yahooニュース」に「軽症が多いはずのオミクロン株で、新型コロナ死亡者数が過去最多 理由は?」というタイトルで専門家(倉原優氏・国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科医)が見解を発信している。新型コロナ死亡者数は、ここにきて1日当たり300人~400人を推移しているが、すべて... 続きをみる

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  • 私の《体調管理》・10

     「・・・アア、キモチワルイ」が口癖になってから4年が経過した。その口癖は今もなおらない。現在、私は三つの慢性疾患をかかえている。その一は「前立腺肥大」、その二は「陳旧性心筋梗塞」、その三は「逆流性食道炎・機能性ディスペプシア」である。そのため、泌尿器科、循環器内科、消化器内科に通院、合計14種類... 続きをみる

  • 排他主義

     1月5日の新型コロナウィルス感染症による死者は498人で、1日当たりの死者数としては過去最多となった。しかし、政府も専門家もマスコミも、そのことに関しては、それ以上に触れようとしない。本来なら「世間のトップニュース」に値すると、私は思うが、なぜなのだろうか。「ニュースバリューがない」ということな... 続きをみる

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  • 「ありがとう」

     今年の目標は「他者のために奉仕する」だ。では、それが達成されたかどうかは、どうやって判断するか。自分の「したこと」に対して他者が「ありがとう」と言ってくれたとき、「奉仕できた」と考えてよいのではないか。他者が「家族」「友人」「知人」である場合はもちろんだが、「見ず知らずの他人」でなければ価値がな... 続きをみる

  • 2023年・「一年の計」

     79回目の元旦だ。健康寿命がつきる73歳までは、「もうやるべきことはやり尽くした。いつ死んでも悔いはない」と思っていたが、急性心筋梗塞を発症、一命を取り留めてからは「決して自分の力だけで生きているのではない。他者によって生かされているのだ」と思うようになった。にもかかわらず、去年の目標は「大晦日... 続きをみる