梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

梨野礫・著作集の新着ブログ記事

  • 政治家の《笑い》

     フランスの劇作家、マルセル・パニョルは「笑いについて」(岩波新書)の中で、人間の笑いには三種類ある、と述べている。その一は強者が弱者を見下す笑い、その二は弱者が強者を皮肉る笑い、その三は同等の人間同士が喜びを共有する連帯の笑い、である。その一には「嘲笑」「哄笑」、その二には「冷笑」「嬌笑」(媚笑... 続きをみる

  • 米海軍特殊部隊「最強の狙撃手」の死

      インターネットのYahooニュースに「米海軍特殊部隊『最強の狙撃手』、テキサス州で射殺される」(ロイター 2月4日(月)8時49分配信)という見出しの記事が載っている。その内容は以下の通りであった。〈2月3日、テキサス州公安局によると、米海軍特殊部隊の元隊員で、「ネイビー・シールズ最強の狙撃手... 続きをみる

  • 《老い》の日々

     昇る朝日を仰ぎ見ながら「今日も一日、無事であれかし」と祈り、その日の終わりには、沈む夕日に感謝する、という毎日を送らなければならない。年寄りの「幸せ」とは、そのようなものであろう。もはや、「やるべき」ことは何もない。ただ、おのれの呼吸が止まらないことを祈るだけなのである。過ぎ去った昔の思い出は「... 続きをみる

  • モーツアルト浴

     私は「音楽」が嫌いだった。なぜか。「歌う」ことが下手だったからである。小学校の授業では「歌う」ことばかり強制されたような気がする。「音を楽しむ」ことが音楽であるはずなのに、どうして歌わなければならないのだろうか。そうした「憤り」は、年長になるにつれてますます強くなった。特に、学期末に行われる「歌... 続きをみる

  • 教訓Ⅱ・《殺されても殺すな!》

     「チャンスは前髪でつかめ!」「後ろを振り向くな!」「一歩後退、二歩前進!」などなど、若者への檄はとにかく未来に向かうことを是としているようです。そのことに異論はありませんが、前に進むためには「今、自分はどこに立っているか」というスタート・ラインを明確にすることが大切です。まず、今、自分がここに居... 続きをみる

  • 教訓Ⅵ・《まもなく終焉を迎える人々へ》

     「生きとし生きるもの」は《必ず》死ぬ。そのとき、何が大切か。これまで身につけた自分の所有物をすべて捨て去る覚悟である。綺麗さっぱりと、自分の足跡を消し去ることである。人間は、動物として、何も持たずに生まれてきた。裸のまま生まれてきた。だから、死ぬときも裸に帰るのである。自分が生まれる前の軌跡がな... 続きをみる

  • 教訓Ⅴ・《男と女》

     人間は動物である。したがって、「所詮、男はオス、女はメスに過ぎない」という認識が肝要である。繁殖のためオスはメスを求め、メスはオスを受け入れる。人間の大脳は重く、そのため活発な「精神活動」を可能にした。「思慕」「恋愛」「愛別離苦」「怨憎会苦」等々、オスとメスの「発情・求愛」活動を表す言葉は、その... 続きをみる

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  • 教訓Ⅳ・《古稀を過ぎた人々へ》

     昔の人にとって70歳まで生き残ることは、古来、稀なことであった。だから「古稀」と言う。運良く生き延びられたとしても、「お山参り」をしなければならない時代もあった。(小説「楢山節考」・深沢七郎・1957年)  現代の平均寿命は80歳台、70歳は「まだ若い」という風潮である。医学、栄養学など様々な文... 続きをみる

  • 教訓Ⅲ・《還暦を過ぎた人々へ》

     還暦とは「第一の人生」の終わりを意味する。いつまでも過去を引きずってはならない。いわんや、財産や栄誉を求めたり、守ろうとしたり、これまでの業績を誇ったり、「悠々自適」を決め込んだりすることは、もっての外である。先人いわく、「第一の人生」は研修期間、試行錯誤して《失敗から学ぶ》ことが肝要、しかし「... 続きをみる

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  • 教訓Ⅰ・《未来の子どもたちへ》

     今から一万年ほど前、地球という星がありました。そこにはたくさんの生き物が住んでいましたが、中でもHという動物はたいそう力が強くいばっていました。銃という武器を使って他の動物たちを追い払い、容赦なく殺し、食べ、毛皮を剥いで寒さをしのいだりしていました。Hは小賢しい「知恵」を身につけていたので、火を... 続きをみる

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  • 軽井沢事故の「直接的原因」

     東京新聞朝刊(27面)に、「軽井沢事故『大型バスは苦手』死亡の運転手 会社に訴え『人手不足』技術確認せず採用」という見出しの記事が載っている。それによれば「土屋運転手は、今月三、四の両日にもスキーツアーバスに乗務しており、事故現場と同じ碓氷バイパスも走った。この際には、経験の長い、もう一人の運転... 続きをみる

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  • 「英語でしゃべらナイト」

     NHKに「英語でしゃべらナイト」という番組がある。私が知りたいことは、その次にどのような文末を想定しているのだろうか、ということである。「一人前ではない」「国際社会では通用しない」「これからは生きていけない」などの文末が想定されるが、いずれにせよ、「英語をしゃべれること」は有為であり、社会生活の... 続きをみる

  • テレビコマーシャルは「文化的な無差別テロ」だ!

     たまに民放テレビを視ていると、ドラマでもバラエティーでも、ちょうど「次を観たい」と思ったときにコマーシャルが入る。視聴者を惹きつける常套手段とはいえ、番組制作者の魂胆は下劣という他はない。「人の心を操作する(もてあそぶ)」、「見せてやっている」という優越意識が「まるみえ」だからである。彼らは、日... 続きをみる

  • 乳幼児虐待死の「責任」

     東京新聞13日夕刊(7面)に「狭山・3歳児死亡 同居の男『湯かけた』 全身にあざ 日常的に虐待か」という見出しの記事が載っている。別の報道では、その女児がベッドの上で「正座」している映像もあった。「そうすれば、パパが怒らない」からだという。その幼気な姿は愛おしく、私の脳裏から離れない。滲み出てく... 続きをみる

  • 「テロは断じて許さない」、その《結果》

     東京新聞朝刊(1面)に、「アルジェリア『人質23人死亡』内務省発表 軍事作戦が終了」「『9邦人殺害見た』現地従業員とAFP」という見出しの記事が載っている。要するに、〈アルジェリア南東部のガス生産施設をイスラム武装勢力が襲撃、日本人を含む多数の外国人が人質となった事件で、アルジェリア内務省は19... 続きをみる

  • 「社会の木鐸」とは無縁・《「民放連」の惨状》

     東京新聞朝刊芸能欄(14面)に、「民放連会長 総務相発言に疑問」という見出しで以下の記事が載っている。〈民放連の広瀬道貞会長(テレビ朝日相談役)は21日の定例会見で、小沢一郎民主党幹事長の元秘書らが逮捕された事件をめぐり、情報源を「関係者」とする報道を「不適だ」とした原口一博総務相の発言について... 続きをみる

  • W先生の話

     W先生の服装は、いつも決まっていた。黒のジャケットに、黒ネクタイ、白のワイシャツに黒ズボン。夏場は、さすがにジャケットは省かれ、ワイシャツも半袖に替わったが、黒ネクタイと黒ズボンに変わりはなかった。  周囲の人は、「どうして、あの先生は、毎日お葬式みたいな恰好をしているんだろう」と訝ったが、誰も... 続きをみる

  • 「超絶・凄(すご)ワザ! 夢かなえますSPよみがえれ思い出の写真編」(NHK)のオソマツ!

     「超絶 凄(すご)ワザ! 夢かなえますSP よみがえれ思い出の写真編」(NHK)という番組を観た。NHKのホームページではその内容を以下のように紹介している。  〈今回は、視聴者からの「色あせた思い出のカラー写真をよみがえらせてほしい!」という依頼に挑む。37年前に撮影し、日焼けで色が落ち、表情... 続きをみる

  • 防衛大生の「歴史認識」

     東京新聞朝刊発言欄に「大東亜戦争は侵略行為ゆえ」というタイトルの記事が載った。投稿者は93歳の阿伽陀しげみ氏、私は三年前にも氏の投稿(「靖国参拝は戦争の美化」)から多くを学んだが、今回も深い感銘を受けた。本紙特報面、映画「第九条」の紹介記事に触れ、防衛大生が「大東亜戦争は侵略戦争ではない。白人か... 続きをみる

  • 「カウントダウンの人生」

     「もういくつ寝るとお葬式・・・」、私の「カウントダウンの人生」が始まった。もはや「世のため人のため」にできることは何も無い。誰もが「せめて他人様に迷惑をかけないよう、世の中の邪魔にならぬように」と考えるに違いない。しかし、それは無理な話である。他人にとって自分は邪魔な存在であり、そのこと自体がす... 続きをみる

  • NHK「紅白歌合戦」のオソマツ!

     NHK紅白歌合戦の視聴率は、北島三郎が初出場した昭和38年(第14回)・81.4%であったが、平成11年(第50回)・50.8%を境に下降の一途を辿り、スマップが解散した平成28年(第67回)は40.2%まで落ち込んだ。往時に比べ「半減」していることは明らかであり、もはや「国民的番組」と称するこ... 続きをみる

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  • 「数え日」

     「数え日」とは「もういくつ寝るとお正月」と数える日々のことだが、私の場合は「もういくつ寝るとお葬式」ということである。人生のカウントダウンに入ったようだ。いくつ寝ても明日は来ない。わずかに夢の中で現実を超える体験をしたとしても、すべては過去の繰り返しであり、明日への展望は皆無である。興味・関心は... 続きをみる

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  • 自転車は「車道」を走れ・《日本社会に露呈する「いじめの構造」》

     自転車は「車道」を走れ、などということは「言わずもがな」の話だが、現実は「さにあらず」、堂々と「歩道」を走っているのが現実である。嘆かわしい限りである。いうまでもなく、歩道は「歩くための道」、車道は「走るための道」である。そのような区別は4~5歳の幼児にだって分かる。人間だって走る場合には、車道... 続きをみる

  • NHKラジオ「すっぴん」の《言葉遣い》

     平日の午前中(8:00~12:00)、NHKラジオ「すっぴん!」に登場する面々の「言葉遣い」は、聞くに耐えない。この時間帯、以前は「ラジオビタミン」という番組であった。その時の「言葉遣い」も聞くに耐えなかったが、私の不快感は「堪忍袋の緒が切れる」までに高まった。「それなら聞かなきゃいいじゃないか... 続きをみる

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  • 暴排条例と「改正」暴対法案、作家や評論家の反対声明に思う

     東京新聞朝刊(24面)に〈暴排条例と「改正」暴対法案 「身分に罰、過剰な正義」作家や評論家が反対声明〉という見出しの記事が載っている。来月にも閣議決定される暴力団対策法「改正」法案、全国で施行されている暴力団排除条例に、作家や評論家が反対、廃止を求める共同声明を発表した、という内容である。〈声明... 続きをみる

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  • 新聞記事「皇室ウィークリー」の見出しに窺われるジャーナリストの《品性》

     インターネットの「msn産経ニュース」(皇室ウイークリー)に、「宮中晩餐会で陛下がお言葉を中断」という見出しの記事が載っている。これを見た読者は、おそらく半数以上が「何があったのか?もしや陛下(の体調など)に異変が・・・」と思ったに違いない。しかし、その内容は以下の通りであった。〈ところで、宮中... 続きをみる

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  • 三者の「言い分」

     クリスマス・イブの夕方、駅前のスーパーは買物客でごったがえしていた。10箇所ほどあるレジ・カウンターにも長蛇の列ができていた。その他に自動精算機を備えた場所がある。6台が設置され、客は自ら商品のバーコードを機器に呈示して会計処理を行う。そこにも、多くの客が殺到していた。床には矢印が描かれており、... 続きをみる

  • 「大阪維新の会・家庭教育条例案撤回」は《不毛な対立》

     東京新聞朝刊(24面)に「維新の会 家庭教育条例案を撤回」という見出しの記事が載っている。その冒頭文は以下の通りであった。〈橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の市議団が、議会に提案予定だった「家庭教育支援条例案」の撤回を決めた。「発達障害は親の愛情不足が原因」などとした内容に批判が相次... 続きをみる

  • 東日本大震災・《今、問われているモラル》

     あの「東日本大震災」の光景を目の当たりにして、東京都知事・石原慎太郎氏は「天罰だ、いっぺん津波に我欲を洗い流してもらった方がいい」と(か何とか)言って世の顰蹙を買い、後日、(無様にも)その言辞を謝罪したそうだが、私は彼の「物言い」にそれほどの違和感は感じなかった。人々がこれまで作り上げてきた「人... 続きをみる

  • 「ビンラディン容疑者殺害」は《愚かな話》

     インターネット・YAHOOニュースに「93%がビンラディン容疑者殺害支持=大統領の評価いま一つ―米調査時事通信 5月4日(水)8時25分配信」という見出しの記事が載っている。その内容は以下の通りであった。〈【ワシントン時事】3日発表の米ギャラップ社とUSAトゥデー紙の合同世論調査結果によると、国... 続きをみる

  • 「子殺し」・《問題の要因》

     昨日、今日と、「子殺し」に関する記事が新聞報道されている。《その1》東京新聞5月23日付け朝刊(23面)「本音のコラム・子殺しに思う」(宮子あずさ・看護師):〈5月14日、生後4カ月の長男を殺した母親が逮捕された。殺された子どもはダウン症。母親は「育児に疲れた。一緒に死のうと思った」と話している... 続きをみる

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  • 大阪の「自転車」

     大阪は「過ごしやすい」街である。「商人の町」と言われるほどに、大小様々な(個人経営の)店舗が「綺羅星のごとく」居並んでいる。たった100円の商品にも、売り手の心尽くしとぬくもりが感じられる。開業時間は早朝から深夜まで、何一つ不自由はない。つまり「便利な」街なのである。とは言うものの、それでは、は... 続きをみる

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  • おそるべきCM

     場所は、ある高層マンションの一室。幼い姉(5歳)と弟(4歳)がテレビを観ながら留守番をしていた。そこに映し出された映像は、たまらなく魅力的であった。なぜなら、アニメではなく実写の人間が、すいすいと、自由自在に(まるでハヤブサのように)都会の空を飛び回っていたからである。「アッ、飛び上がった!エッ... 続きをみる

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  • 「授業で道路清掃」の《意味》

     東京新聞12月19日付け朝刊・「発言」欄に、「授業で道路掃除とは?」という記事が載っている。筆者は、校外で清掃活動を行っている生徒たちの様子を見て、「文部科学省のカリキュラムですか」と若い教員に尋ねたところ、「いいえ、区の・・・」という答が返ってきたそうだ。筆者はその活動を「思いがけない光景」と... 続きをみる

  • 「足利事件報告書」は《報告不十分》

     東京新聞朝刊(8面)に、「足利事件報告書の要旨」(「足利事件における警察捜査の問題点について」・警察庁)が載っている。その中で、「報告不十分」と思われる件について感想を述べる。この事件の要点は、なぜ菅谷さんを「犯人」と見誤ったか、という一点に他ならない。①DNA型が一致したから、②菅谷さんが自白... 続きをみる

  • 仏作って魂入れず・「殺人の時効廃止案」

     東京新聞朝刊(1面)に、「殺人の時効廃止案決定 法制審部会 法相に月内答申へ」という見出しの記事が載っている。その内容は、〈公訴時効制度を見直している法制審議会(法相の諮問機関〉の刑事法部会は8日、人を死亡させた罪のうち、殺人など最高刑が死刑の罪は時効を廃止し、懲役・禁固の罪は時効期間を二倍に延... 続きをみる

  • 芸能人の《賞味期限》

     東京新聞朝刊21面に「週刊誌を読む《「老い」に率直な感想 永さんら世代の長い活躍願う》」(月刊「創編集長・篠田博之)という記事が載っている。それによると、〈・・・先頃、ある週刊誌記事が話題になった。『週刊女性』7月14日号の「永六輔『回らないろれつ』『激やせ15キロ』の孤独生活」だ。新聞の投書欄... 続きをみる

  • 鰤大根

    ◆鰤大根母の面影囲炉裏端 ◆鰤食らう孫の未来は不透明 ◆駅伝の号砲を待つ冬の空 ◆水鳥の羽音に見入る猫の背や ◆蕪蒸酌み交わす友探しけり 【補説】  私の夢は「俳人」だったが、現実は「廃人」に終わった。 (2016.12.1)

  • 冬日

      もう十分見るべきものは見つ冬日 【補説】  欲を言えばきりがない。思い残すこともない。知盛を倣って終焉の日を迎えよう。

  • 「行政刷新会議」と「匿名の奇跡劇」

     報道によれば、〈政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は27日、2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す事業仕分けを終えた。9日間の作業で「廃止」や「予算縮減」の削減額は最大で約7700億円に上った。基金など「埋蔵金」の国庫返納額約1兆円を合わせ、財政効果は最大で総額約1兆7700億円になっ... 続きをみる

  • 死という字

       死という字頻りに浮かぶ冬の朝   【補説】  同時代を生きた人々の訃報が次々と伝えられる。私にも「死」が迫っていることは確かである。今朝の冷え込みはことのほか身に沁みた。

  • 紅葉

      園児らのキラキラ星に降る紅葉 【補説】  保育園の子どもたちが踊っている。園庭の銀杏、カエデが降り注ぐ。平和な日本を守らなければならない。 (2016.11.21)

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  • 「海自3曹15人の同僚」の《感動》

     10月19日付け読売新聞(3時3分配信・niftyニュース)に、「海自3曹死亡『教官の管理不十分、制裁は否定』・・・」という記事が載っている。私は、その中で海自3曹の「死」に直接関わった、「15人の同僚」の言動に注目する。記事によれば、〈事故調査委の調べによると、3等海曹の男性は9月11日に別の... 続きをみる

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  • 団塊世代の役割

     団塊世代が定年退職を迎え、「第二の人生」を歩みはじめている。彼らの「第一の人生」は、その大半が戦後日本の発展(高度経済成長)のために費やされたことは間違いなく、その結果、現在の「豊かで平和な日本」が誕生したといっても過言ではないだろう。だがしかし、「もう役割は終わった。後は悠々自適・・・」といえ... 続きをみる

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  • 特攻と自爆テロ

     かつて多くの特攻隊員の姿を間近で見つめた、元海軍少尉は、特攻と自爆テロは「全然、違う」と断じながら、「自爆テロ犯の本当の心情は、私にはわからない。彼らにも守りたい伝統や文化、国土があるのだと思うし、命を捨てる苦悩もあると思う。」とも述べている。(東京新聞8月14日朝刊「命とは問いつつ特攻・記憶・... 続きをみる

  • 「教諭の保護者提訴」は《一億層未熟化》への途

     東京新聞朝刊(25面)に「教諭が保護者提訴 慰謝料求め「苦情で不眠症に」行田の市立小」という見出しの記事が載っている。その内容は以下の通りであった。〈埼玉県行田市の市立小学校の女性教諭が、担任する女児の親から再三嫌がらせを受け、不眠症になったとして、両親に慰謝料500万円を求める訴訟をさいたま地... 続きをみる

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  • 「満面の笑み」《場末飲食店に現れた観音菩薩》

     午後10時過ぎ、チェーン店「松屋」で、320円の牛めしを食べていると、一人の若い女性客が入ってきた。食券の自動販売機を前にして、しばらく思案している。この店は、〈株式会社松屋フーズ(まつやフーズ、英称:Matsuya Foods Company, Limited)は、牛丼(牛めし)・豚丼(豚めし... 続きをみる

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  • 「学力」とは何か・《ある私立中学校の入試問題》

    ある私立中学校の入学試験(算数)に、「2時から3時の間で、長針と短針がぴったり重なる時刻は何時何分でしょうか」という問題が出された。はたして、この問題を何人(の大人)が解けるだろうか。この問題を解くためにどうすればよいか。実物の時計で確かめるのが手っ取り早いとは言え、いくら時計を眺めてみても、正確... 続きをみる

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  • 新「唯物論」

    「唯物論」とは何か。フリー百科事典『ウィキペディア』によれば、以下のように説明されている。〈唯物論は、事物の本質ないし原理は物質や物理現象であるとする考え方や概念。非物質的な存在や現象については、物質や物理現象に従属し規定される副次的なものと考える。物理主義、ともいう。対語は唯心論〉。  ただ、私... 続きをみる

  • 木の葉髪

     思うこと遂げざる日々や木の葉髪 【補説】 「チャンスは前髪でつかめ!」、その思いを果たせぬまま、枯れ木のように老いてしまった。

  • 《だから》自閉症は治らない

     なるほどこれでは「自閉症」は治らない。現状では「治りようがない」からである。「自閉症」と呼ばれる人、子どもたちの周囲に居る人、例えば両親、例えば兄弟、例えば親族、そして療育・教育に携わる人々の大半、もしくはほとんどが「自閉症は治らない」と思っているからである。彼らは、自閉症の要因は「脳の機能的障... 続きをみる

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  • 今日の柿

     病葉に実もたわわなり今日の柿 【補説】  数十年来、見事な結実を重ねてきた陋屋の柿の木に異変が生じた。放射能汚染の影響か、葉に生気がない。実もたわわだが色づかず、鴉に啄まれることもなく、朽ちていく。 (2016.10.29)

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  • 「嘱託殺人罪」・《罪悪感の日々》

     東京新聞朝刊(29面)に〈難病長男殺害の妻を刺殺 「嘱託」で夫起訴 執行猶予5年 傷癒えず 罪悪感の日々「やっと楽に」〉という記事が載っている。その内容は、生きることの意味の重さ、深さをひしひしと感じざるを得ない人間模様で、どんな小説、ドラマよりもリアルに迫ってくる。〈殺害された妻のH子さん(6... 続きをみる

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  • 「九条」

     「九条」に感謝を告げて旅立つ日 【補説】  「九条」のおかげで、私は兵役に服することはなく、人を殺すことも、殺されることもなく、穏やかな七十余年を過ごすことができた。そして今、静かに旅立つ日を待っている。(2016.10.25)

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  • 君が代

     君が代の不戦を説きし君逝きぬ 【補説】 三笠宮殿下の御逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。 (2016.10.27)

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  • ある自殺者の話

     闇の向こうから、一人の男がふらふらとやって来る。足が地についていないようだ。といっても、それはあたりまえ、ここは冥界なのだから。どうやら、私同様に、「魂魄この世に留まりて」といったケースに見受けられる。私と対面するなり、涙を流しながら「ごめんなさい」と謝った。「どうしましたか」と尋ねると、男は堰... 続きをみる

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  • 私はまだ生きている、65歳

     私はまだ生きている、65歳。なぜ?、などと考えてみたところで、答が見つかるはずがない。生きているから生きているのである。でも、「生きる」ことは苦しい。「苦」とは、仏教用語で「思い通りにならない」由。早く死にたい。死ねば「楽」になる(はずだ)。友だちのS君は逝った。知人のA氏も逝った。今度は私の番... 続きをみる

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  • 「靖国参拝は戦争の美化」・卒寿投稿者の《達筆》

     東京新聞朝刊「発言」欄(5面)の下段に以下の投稿記事が載っている。〈「靖国参拝は戦争の美化 無職・阿伽陀しげみ(90)毎年、靖国神社の例大祭では、閣僚に加えて政治家の集団参拝が物議を醸している。彼らは「国のために命を捧げた英霊に尊崇の念を払うのは当然」と口をそろえる。だが、勝ち目のない戦争で、一... 続きをみる

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  • 瀬戸内寂聴氏の晩節

     スポニチアネックス(10月14日配信)に「瀬戸内寂聴さん 謝罪」という見出しで、以下の記事が載っている。〈今月6日に福井市内で行われた死刑制度をめぐる日弁連のシンポジウムで、ビデオメッセージで「殺したがるバカどもと戦ってください」などと制度を批判したものの、犯罪被害者遺族らからやインターネット上... 続きをみる

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  • 「生きていく(成仏できない)私」

     いったい私は何のために生きている(成仏できない)のだろうか。そんなことはわかるはずがない。強いて言えば、(自分の意思とはかかわりなく)「生まれてしまったから」生きているのである。つまり、私は、「自分から生まれよう」と思って生まれてきたのではない。では誰の意思か。直接的には「両親」の意思ということ... 続きをみる

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  • 「老いる」ということ

    正午、JR飯田橋駅で旧友A(中学、高校時代の校友)と待ち合わせ後、徒歩15分ほどの所にあるR寺に向かう。途中のコンビニで缶ビールを購入、Aは自宅から庭木の枝、線香を持参。三年前に他界した亡友S(小学校、中学校の校友)の墓参が目的である。俗謡に、「いい奴ばかりが先に逝く、どうでもいいのが残される」(... 続きをみる

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  • 知人A氏の「葬儀」譚

     昨日、今日と二日間に亘って知人A氏の葬儀が執り行われた。A氏の享年は63歳、現役を退職して五年が経過、病気療養中の見舞客も四、五人ほど、親族といっても従姉妹の二家族(五、六人)だったので、「通夜の客」は二十人程度、多くても三十人を超えることはないだろうと思っていたが、あにはからんや、職場の同僚・... 続きをみる

  • 知人A氏の「死」

     訃報が入った。パーキンソン病と闘っていた知人A氏が今日午前6時に他界した由、深く哀悼する。身の回りの友人、知人が一人、二人、三人と旅立って逝く。寂しいとはいえ、それが生きとし生けるものの宿命である。A氏の享年は63歳、私より2年後輩だが「早すぎる」とは思わない。古来より「人間五十年」と言われてい... 続きをみる

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  • 峠道

    秋風と戯れて往く峠道 【補説】  独り七十路坂を下りていく。友だちは秋の風と枯れススキ。そして俗謡が聞こえる。「何にも聞かないで つらい恋でも想い出にゃ いいことばっかりが 残るのよ」(山口洋子) (2016.10.2)

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  • 秋の声

     往く人の後ろ姿や秋の声 【補説】  知人の作物に「死なないでほしい昔の男達」という秀句があった。旧友も一人去り、二人去り、私は独り秋の声を聞いている。    天高く「トツゼンノサヨナラ」が走る馬場 【補説】  「トツゼンノサヨナラ」は父・オレハマッレテルゼ、母・ユメミツキの2歳牝馬、終始、後方の... 続きをみる

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  • 林檎

      二つ三つ孫の歯形の林檎かな 【補説】  幼子が、ようやく生え揃った乳歯で、真っ赤な林檎に齧りついた。祖母は微笑みながら林檎を「うさぎ」に切り揃え提供する。縁側で秋の日射しをいっぱいに浴びながら・・・。  林檎箱卓袱台がわりの新所帯 【補説】  若夫婦の住処は四畳半一間、故郷から送られてきた林檎... 続きをみる

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  • 彼岸花

    彼岸花手を振る人を振り返る 【補説】  俗謡に「いい奴ばかりが先に逝く どうでもいいのが残される」とあるが、私は未だに此岸に居て、逝ってしまった人が手を振る姿を思い浮かべている。今年もまた陋屋の玄関先には、彼岸花が一輪、花開いた。 (2016.9.27)

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  • 有効な渇水対策を!

     7月末現在、矢木沢ダムの貯水率は34.8%である。予報では今夏は残暑が厳しいという。ダムの管理者は節水を呼びかけているが、貯水率34.8%という数字の意味を住民に知らせることが肝要だ。住民は、このまま雨が降らないとしたら、《あと何日で》給水制限(断水)をしなければならなくなるか、という情報が知り... 続きをみる