梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

《6月宣言》

 6月がやって来た。朝起きると、開けた窓からムッとした熱気が入ってくる。途端に去年の7月、とりわけ退院後の「夏ばて状態」を身体全体が想起する。「ああ、またか・・」。
 だがしかし・・・、である。今年は、同じ轍を踏まない。脊柱管狭窄症による間欠跛行は今のところ(テニスボール活用の)「仙腸関節ストレッチ」により軽減している。食欲も徐々に回復して、外食も可能になってきた。体重は53㎏を下回ることはない。昨日からは、福辻鋭記氏推薦の「マヌカハニー」(ニュージーランド産の蜂蜜)を空腹時に服用、早朝の吐き気や胸焼けも「治まりつつ」ある。
 だとすれば、あとは『熱中症』対策か。すでにエアコンを2台新設したので、屋内でのリスクは減ったかもしれない。体温上昇、倦怠感、頭痛、吐き気、悪寒などに注意して、この《夏》を乗り超える。
 昨年の今頃は、脊柱管狭窄症に苦しんでいた。血圧が150/100を超える日(最高は170/105)が続出しているのに放置したまま・・・。かくて6月25日に「急性心筋梗塞」を発症する。今振り返れば、去年の6月は、私が「最も死に近づいた」(記念の)時であった。幸いにも(と言うべきだろう)一命をとりとめ、以後1年間の延命を達成しようとしている。その間に学んだことはただ一点、「私の命は私だけのものではない」ということであろうか。周囲には、(意外にも)まだ私の存命を願う人が複数居ることを確認し、その人たちに応えるためにも、「死んではいけない」ことを学んだのである。そうだ、その人たちがいなくなるまで、生き続ける努力をしよう。
 そのためには、この《夏》を確実に乗り超える。
(2019.6.5)