梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

最後の「心臓リハビリ」

 ほぼ半年ぶりに(予約済みの)大学病院リハビリテーション科を受診した。担当医の診察と「インボディ測定検査」を受けるためである。これまでの医師(女医)は異動、今回初めての診察だった。「体調はいかがですか」と尋ねられたので「体重が10キロ減りました。吐き気、胸焼けがします。胃カメラ検査の結果、逆流性食道炎と言われました。あと、左胸がチクチクします。退院後、しばらくは違和感がありましたが、2か月後くらいからはチクチクと痛むようになりました。主治医からは、(心電図などに異状はないので)様子を見るしかない、と言われています」。担当医はこちらの話をメモ(パソコンに入力)し終わると、「リハビリテーション実施計画書」を提示、治療方針に《必要に応じて適宜アプローチします》と記されていることを確認し、「ここにサインしてください」ということで診察は終わった。要するに「今はなにもする必要がない」ということである。
 次は「インボディ測定検査」である。またまた、新しい理学療法士が測定する。半年前にくらべてどのような変化がみられるか。①体重は55kgから53kgに減った。②対水分分析はほぼ同じだった。③部位別水分量&ECW/TBは右腕微増、左腕微増、体幹微増、右脚増加、左脚増加、④部位別筋肉量、右腕微増、左腕微増、体幹微増、右脚増加、左脚増加、⑤筋肉量 微増(39.9kg→40.6kg)、⑥体脂肪量 減少(12.7kg→10.6kg)、⑦BMI 微減(21.0kg→20.5kg)⑧体脂肪率 減少(23.1%→19.7%)。これを、さらに半年前の退院直後(昨年7月)と比べると以下の通りである。①体重は60kgから53kgに減った。②体水分分析では、細胞内水分量、体水分量が減少し、ECW/TBWが微増した。③部位別水分量&ECW/TBWは、すべての部位において減少した。④部位別筋肉量もすべてにおいて減少した。(体幹19.7kg、90.0%→18.4kg、83.9%)。⑤筋肉量 減少(42.5Kg→40.6Kg)⑥体脂肪量 減少(15.1Kg→10.6Kg)⑦BMI 減少(22.9Kg→20.5kg)⑧体脂肪率 減少(25.1%→19.7%)。
 これらの数値の変化にどのような意味があるか、どう解釈すればよいか、その詳細はわからなかった。「指摘事項なし」ということか・・・。
 その次は、①速歩検査(できるだけ早く歩く)、②片足立ち検査(片足で立ち続ける)、③立ち上がり検査(椅子から立ち上がり速歩の後、椅子に座る)。いずれも、半年前よりは、成績は落ちていた。
 要するに1年前、半年前と比べて「体重が減った。体脂肪量は減ったが、筋肉量も減った。でも(この半年で)筋肉量は取り戻しつつある。運動能力は低下している」ということである。理学療法士からは「半年前の状態を維持しています。今後の課題は筋肉量を増やすことです」と言われた。 最後に(病院に協力する)「患者用のアンケート」を手渡され、記入していると、入院時に担当の理学療法士がやってきて「お元気でしたか」と言う。検査結果を見せながら「筋肉量を増やすように」と言われましたと言うと、「でも、前回よりは増えていますよね。リハビリ体操でがんばりましょう。運動の後は牛乳を飲むこと、肉や魚(タンパク質)を摂ることが大事です。腰の方はよくなりましたか」「狭窄症は、今、治まっています」「よかった、では、お大事に」と言い残して立ち去った。
 今回の診療で大学病院はすべて終了、「気分は晴れ晴れ」といいたいところだが、「服薬」という医療的ケアは除けない。その副作用を考慮しながら「逆流性食道炎」(吐き気、胸焼け、食欲不振)、「肋間神経痛」(左胸の痛み)を自力で治すこと、それが当面の課題である。(2019.5.31)