梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

出血性大腸憩室症の疑い・4

 今日で入院5日目となった。これまでの経過をふりかえると、入院当日は「血液検査」「腹部CT検査」「尿検査」、2日目は「腹部エコー検査」、3日目は「心臓エコー検査」、4日目は再度「血液検査」、まさに検査、検査のオンパレードだが、いずれも大腸からの出血原因を究明するため、あわせて心筋梗塞の兆候を探るためであろう。この間(4日間)、水分以外は絶食するが、空腹感はない。24時間体制の「点滴注射」を行っているからか。点滴には、生理食塩水、鉄分、止血剤等が含まれていると思われるが、詳細な説明は医師からも看護師からもない。そして昨日、消化器内科担当医の回診があった。彼は、満面の笑みを浮かべて病室に入ってきた。「どうですか?おなかの調子は・・・」と言いながら腹部を触診した。「今のところ、血尿も下血もありません」と答えると、「そうですか、今日の昼から流動食にしましょう」。この担当医はいかにも磊落、ざっくばらんで自分の気持ちが顔に出る。入院当日は「・・・そうか、再発しましたか」と表情が曇り、深刻な表情だったが、今日は一転、明るく爽やかであった。ということは、これまでの検査結果は良好であり、経過も順調であるということか。そういえば、入院当日の「尿検査」の結果も「異状なし」と伝えに来てくれたが・・・。概して、結論だけを言い「多くを語らない」という流儀かもしれない。「流動食の次は三分粥、五分粥、七分粥という順で、おなかを慣らしていきます。このまま何事も無ければ水曜日には退院できるでしょう。点滴も徐々に減らしていきます」ということだった。
 今日の朝食は流動食だったが、昼食は三分粥、鶏肉の煮物、鉄分のヨーグルト、バナナのサラダだった。朝食に比べて量も種類も倍増したので、ヨーグルト以外は、食べ切れなかった。(三分粥は三分の二、煮物は三分の一、サラダは二分の一)食欲がなかったというよりは、気持ちの問題であり、段階として量が多すぎると感じたからである。
 食後、腹痛や下血の症状はなかったが、多少の胃部膨満感はあった。今日も担当医の回診はない。日曜日だからである。(2019.12.22)