梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

出血性大腸憩室症の疑い・2

 病室ベッドに備えられた布団が1枚だったためか、未明からぞくぞくと寒気がしてきた。同時に胸苦しさもある。しばらく安静にしていたが治まりそうもないので、午前3時頃ナースコールをした。しかし応答がないので、ナースステーションに赴く。しかし、そこには誰もいなかった。廊下の先に点灯している病室があったので、そこに行くと若い看護師が患者の手当をしていた。「すみませんが・・・」とささやき声で呼び掛けたが気がつかない。私はやむなく「すみません」と普通の声で呼び掛けた。すぐに彼女は気がついて「どうしましたか?」と訊ねる。「胸の周りが苦しいです」「わかりました。病室で待っていてください」。待つこと数分、今度はベテランの看護師がやってきた。胸に聴診器を当て、脈をとる。「不整脈はありません。しばらく見ましょう。何かあったら(ナースコールの)ボタンを押してください」といったん退室したが、5分ほど後、看護師二人でやってきて「念のため心電図をとりましょう。その方が安心ですから」。さっそく二人は準備にとりかかったが、手際がよいとは言えなかった。何回かやりなおして、ともかくも終わった。今、私は24時間点滴を続けている。その点滴が心筋梗塞を誘発するとすれば、細心の注意が必要だ。結果は不明だが、ともかくも「心電図」をとれてよかったと思う。徐々に胸の症状は薄らぎ、夜明け前には普通の状態に戻った。
 今日は「腹部エコー検査」の予定日だ。「8時以降は排尿しないように」と言われたが、点滴をしているので1~2時間に1回はトイレに行かざるえを得ない。また血尿、下血のチェックもしなければならない。9時頃、尿意を催したのでナースステーションに行き、「トイレに行ってもいいでしょうか」と許可を求める。「やむを得ません。いいでしょう」ということで、10時から検査開始。以後は、病室で安静に努める。
 どこの病院でも同じかもしれないが、血圧、体温、酸素濃度等の測定結果について患者に知らせる看護師はきわめて少ない。結果がよかろうと悪かろうと、検査や測定をした以上、その結果(事実)を明らかにする義務が(検査者、測定者には)ある、と私は思う。 今日未明の「心電図検査」、「腹部エコー検査」、諸測定の結果がどうだったのか、まだ私は聞いていない。多分「特に異状はない」ということなのだろう。 (2019.12.19)