梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私の《病状管理》

 今日も雨、しかし、まもなく「さざんか梅雨」も明けるそうな・・・。一方、私の体調は、この1年半の間「長いトンネル」に入ったまま、出口が見えてこない。一昨日(26日)は、大学病院皮膚科の予約日だったので、朝一番で受診した。診断名は「多形紅斑」。前回に「皮膚生検術」で皮膚片を取ったので縫合部の抜糸を行う。その生体検査の結果も明らかになった。要するに「薬疹の疑いもないとは言えないが、依然として原因は不明」とのこと・・・。何らかのアレルギー?免疫力の低下?薬疹?、ただ、担当医は患部を観察して、「赤さが薄らいできています。よくなっていますよ。このまま治療を続けましょう」、ということで、2週間分の内服薬(プレドニン1日2錠、アレロック1日2錠)と塗り薬(アンテベート軟膏+ヘパリン油性クリーム)を処方した。「痒いときは軟膏を塗った方がいいですか、何回でも?」と訊ねると「はい、塗ってください。でも1日3回までにしてください。それ以上になると副作用がでるかもしれません」。なるほどね・・・。副作用、副作用、私はこの副作用のために「長いトンネル」を彷徨っているのだろう。
 「吐き気」「胸やけ」「腹部膨張感」「食欲不振」そして「薬疹」・・・、本来の疾病は「高血圧症」「動脈硬化」「心筋梗塞」であったが、その治療薬が様々な副作用をもたらしている。だから、たとえ皮膚病の「痒み」が治まったとしても、次々と別の症状が現れるに違いない。例えば消化器系(腹痛、便秘、下痢)、例えば泌尿器系(前立腺炎、排尿障害)、さらに呼吸器系(後鼻漏、幻臭)。副作用ではないが、整形外科の脊柱管狭窄症(間欠跛行、座骨神経痛)、歯科の歯肉炎という「おまけ」まで付いている。(その話を電話で聞いた)中学、高校の友人Aは「まるで病気のデパートだな」とあきれ気味に笑っていたが、彼はいたって元気、日頃からそんなことのないように、「健康管理」に努めてきたと胸を張る。おそれいりました、私が今せいぜいできるのは「病状管理」、出口の見えないトンネル生活が続くのである。でも、それは自業自得、嘆くことではない。次にどんな症状が現れるか、予想を立てて楽しむことにする。①虚血性大腸炎、②大腸憩室症、③排尿障害、④腰痛(座骨神経痛)、⑤動悸・息切れ・・・。その中にまだ「頭痛」「悪寒」「嚥下障害」を挙げなくてよいことが「幸せ」だ。(2019.11.28)