梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

続・虚血性大腸炎の疑い

    医師から入院治療を勧められたが、拒否して帰宅した以上、「入院」相当の生活を送らなければならない。具体的には、①外出しない、②仕事をしない、③2日間、水分のほかは摂らない(断食)。④常備薬は時間通りに服用するが、バイアスピリン(血液をサラサラにする薬)は(1週間)中止する、⑤定時(朝と晩)に検温、血圧測定を行い記録する、ということで(自宅での)「入院期間(断食)」が過ぎた。今日からの食事について医師からの指示はない。看護師からは「流動食から始めてください」と言われている。そこで、朝食は、牛乳、液体飲料(メイバランス)、ゼリー飲料のみとし、後に(医師から新たに処方された)ミヤBM錠2錠(整腸剤)とクラビット錠250mg1錠(細菌による感染症の治療薬)を服用する。2日前の夜中に生じた腹部の痛みは消失し、便通も普通に戻った。ありがたいことである。1年半前(73歳時)の急性心筋梗塞発症以来、脊柱管狭窄症の再発、逆流性食道炎、後鼻漏、浮腫性紅斑、大腸ポリープ切除、そして虚血性大腸炎と、さまざまな「病」を経験したおかげで、私は二つのことを学んだ。その一は、「人(私)は《生きている》のではない。《生かされている》のだ」ということである。自分の力だけで生きているのではない。例えば「空気」、例えば「気温」、例えば「水」、そして何よりも「他人」の力である。自分以外の人たちに支えられているからこそ、生きていられるのだ。さればこそ、その二は「病」に向かうとき、《甘えてはいけない》ということである。誰かが治してくれるだろう、などと油断すべきではない。自分の「病」は自分しかわからない。だから、それを治せるのも自分しかいない、ということである。
 小学校時代の級友から「心臓弁膜症の手術をして無事退院できた」という朗報が入った。できれば手術は避けたいと思ってきたが、余命1年と宣告されたので、家族と話し合い、手術を受ける決断をしたとのこと、よかった、よかった。
 さて、私の方は、まだ、まだ、この1週間はバイアスピリンを休薬する。その間に異変が生じないよう、細心の注意を払わなければならない。(2019.11.4)