梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

虚血性大腸炎の疑い

 昨日は午後、珍しく「吐き気」の症状が現れた。先月(10月)の初めから食欲が戻り、体重も増える兆しが見えていたのに・・・。だから、気にもせずいつも通りの夕食(納豆、卵焼き、ポテトサラダ、湯豆腐、餃子、日本酒五勺)を済ませ、22時ごろ就寝したが、日付が変わって今日の深夜1時、突然、左腹が痛み出した。ズキン、ズキンと差し込むような痛みで、立ったり、力んだりすると痛みが増す。とりあえず、市販の胃薬を飲んで様子をみる。痛みは多少和らいだが、3時ころ便意を催し、トイレに入る。便の色は黒、5時頃、再び排便、便の色は深緑。夜が明けて、痛みはシクシク程度に減ったが、念のため、駅前の病院内科を受診した。担当医は問診の後、私を仰向けに寝かせて、腹部を触診、左下腹部に痛みがあることを確認した。「では、腹部のCT検査と血液検査を受けてきてください。その後、点滴をします」。点滴は500mlだから2時間ほどかかる。それまでに検査結果がわかるらしい。CT検査を終え、処置室に入ると血液検査と点滴のため、ベッドに横たわる。カーテンで仕切られているが、となりのベッドにも点滴を受ける患者がいた。1時間半ほど経過したとき、担当医が隣の患者の所にやってきた。「今、検査結果が出ましたが、どうも値がよくありません。症状を抑えるためには入院加療が必要です。1週間ほどになるでしょう」。「・・・・わかりました」という弱々しい声が聞こえた。その声を聞く限り30歳~40歳代と思われる。次に、担当医は私のベッドにやってきた。「どうやら虚血性大腸炎らしいです。あなたも入院した方がいいのだが・・・」。私は、反射的に「家に帰りたいです」と答えた。そういえば、先月初め「大腸カメラ検査」で入院したときも、この担当医は入院の延長を勧めた。その時も、私は「家に帰りたいです」と答えた。その意志が固いと見るや、担当医は「では、今日と明日の2日間、絶食し、水分だけにしてください。また、心臓の薬のうち、バイアスピリンを1週間中止してください」という。その方がいい。自宅で「入院生活」を行えばよいのだ。「わかりました」と、私は答えた。
 帰宅後、「虚血性大腸炎」についてインターネットで調べると、以下の記事が目にとまった。
 〈突然の腹痛でトイレに駆け込んだら下痢。真っ赤な血が混じっていたらギョッとしますね。虚血性大腸炎かもしれません。大腸への血の循環が悪くなり、炎症や潰瘍を生じる病気です。でも心配はご無用。ほとんどは一過性で、後遺症も残らないのですから。(略)
 大切なのは何よりも腸の安静です。治療は整腸剤を服用し、経口補水液などで十分な水分補給を心がけ、数日間の絶食とします。スポーツドリンクや柑橘類以外の天然果汁もよいでしょう。〉(平成28年12月3日 北國新聞朝刊掲載・伊藤医院HPより引用)
 ということで、当分は「腸の安静」を心がける。それにしても、この病気を先月の「大腸カメラ検査」で見つけられなかったのはなぜだろうか。
(2019.11.2)