梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「日馬富士、お前もか!」

 先場所優勝した横綱・日馬富士は九州場所の初日から2連敗した。その遠因は、巡業中に起こした自らの「不始末」にあるようだ。酒に酔って前頭8枚目・貴ノ岩に絡み、ビール瓶で頭を殴打、頭蓋骨骨折の重傷を負わせたという。(スポニチアネックス)
 日本相撲協会はこの「不始末」にどのように対応するのだろうか。NHKを筆頭におおかたのメディアは、この「不始末」にさほどの関心がないように見受けられるが、もしこのまま見過ごされるようなことがあれば、大相撲の将来はないと私は思う。
 国技・大相撲で最も大切にされなければならないことは「相撲道」の精神であろう。まして横綱という最高地位にある者は、力士の手本として「心技体」の充実に励まなければならない。かつて、横綱・朝青龍も暴行事件で引退に追い込まれ、大相撲界から去った。「日馬富士、お前もか!」と言われる前に、どうするか。
 今となっては、とりあえず休場、そして引退という道の外は残されていないと思われるが、「不始末」のあった日は先月(10月)の26日、以来20日余り、関係者ら(伊勢ケ浜親方、貴乃花親方、理事長の八角親方ら)は何をしていたのだろうか。再び、日本相撲協会の体質が問われることは間違いない。(2017.11.14)