梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《国内の動向・3》

 厚生労働省のホームページには、3月24日時点での「新型コロナウィルス感染症」の現状について、以下のデータが載っている。(チャーター便帰国者の事例を除く国内事例)
 それを3月20日時点での数値と比べてみた。↑は上昇、↓は下降、*は当時の数値である。
①PCR検査実施人数 22184人↑ *18134人
②陽性者  1095人(被験者の4.9%↓)*5.4%
そのうち無症状者 104人(陽性者の9.4%↓)*10.6%
そのうち退院者 34人(無症状者の32.6%↑)*28.8%
要入院  74人(無症状者の71.1%↑)*70.1%
そのうち有症状者 980人(陽性者の89.4%↑)*88.7%
そのうち退院者 251人(有症状者の25.6%↑)*18.0%
要入院 689人(有症状者の70.3%↓)*74.6%
軽中症 444人(入院者の64.4%↑)*61.8%
重症 55人(入院者の7.9%↓)*8.4%
確認中 185人(入院者の26.8%↓)*28.4%
③死者 42人(陽性者の3.8%↑)* 3.5% 
       (重症者の76.3%↑)*63.6%
 また、クルーズ船事例を含めると、3月23日18:00現在、PCR検査陽性者は①1800人、②現在も入院等857人、③退院者891人、④死亡者52人である。この数値は、3月20日18:00現在、①1668人、②826人、③799人、④43人だったから、その増加率は①1.07倍、②1.03倍、③1.11倍、④1.20倍である。
 以上のことからわかることは、国内事例のPCR検査の陽性者は減少傾向にあるが、そのうち有症状者は増加傾向にある、ただし、そのうち退院者、軽中症者も増加傾向にある、重症者は減少傾向にあるが、死者は増加傾向にあり、重症者の76%が死亡している、ということだ。全体を見ると、感染者、入院者に比べて、退院者の増加率が上回っているが、それ以上に死亡者の増加が止まらない。
 《だから》現在は「明るい材料」(=感染者・入院者<退院者&軽中症者>重症者)と「暗い材料」(死亡者>重症者の76%&死亡者の増加率=1.20倍)が《混在》している状況だといえよう。したがって、過度に不安になることなく、しかも油断することなく・・・、といった極めて困難な対応を、国民は迫られているのである。
(2020.3.25)