梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

続・「病人」から「老人」へ

 今日は循環器内科の通院日である。先日、市保健所から「平成31年度高齢者肺炎球菌予防接種のお知らせ」が届き、接種を希望する場合「心臓血管系の疾患等を有する方」は「担当医に相談しなくてはならない」と記されてあった。私は同封の予診票に「希望します」と記入して、主治医の許可を求めたいと看護師に依頼、診察の順番を待った。中待合室に呼ばれて入ると、主治医の大きな声が聞こえてくる。私の前の患者に検査結果の説明をしているらしい。「中性脂肪と悪玉コレステールの値が基準値を超えています。血圧も高いようなので、このまま放置すると危険です。まず善玉コレステールを増やすためにタバコを止めなければなりません。次に、中性脂肪や悪玉コレステールの値を下げる薬を飲んでください。また、血圧をもっと下げる薬も出しますので、それも飲んでください。薬を飲んだからといって、すぐに体調がよくなるわけではありません。5年後、10年後のことを考えて、今から薬を飲む必要があるのです」。そこで「何かわからないことがありますか(質問がありますか)?」と患者に問いかければ、《この主治医は名医なのだが・・・》などと考えているうちに、その患者の診察は終わった。次は、私の番である。主治医は肺炎球菌予防接種の「予診票」に目を通し「注射ですね。体温は6度2分、大丈夫ですよ」と、OKのサインをする。「体調はいかがですか?」「おかげさまで食欲が出てきました。体重も51キロから53キロになりました」「そうですか、では血圧を測りましょう」・・・・、「130と80です。では、また、いつもの薬を出しましょう」「ハイ、あの温泉に入っても大丈夫でしょうか」。主治医はこちらを見て微笑みながら「大丈夫ですよ」と言う。「サウナや岩盤浴は?」「無理しなければ(水分を補給しながらであれば)大丈夫ですよ」「わかりました。では一泊の旅行は?」「大丈夫です。海外旅行だってできますよ」。さすがに最後の言葉には驚いた。(当世の言葉で)「マジかよ」と応えたくもなったのだが・・・・・。前の患者に対する助言とはあまりにも対照的だったので、「信じてもよい」あるいは「信じなければならない」のかもしれない。
 いずれにせよ、ほぼ1か月前、私は「病人」をやめて「老人」になることを決意、また「脊柱管狭窄症」を自分で治そうと、酒井慎太郎氏の「仙腸関節ストレッチ」を試みているが、その結果・効果が少しずつ出始めているようではある。
(2019.4.16)