梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「患者同盟」の設立を!

 高齢化社会とは、要するに「老人が犇めき合う社会」であり、街へ出れば杖をついた白髪頭の年寄りばかり、つねに病院は入院患者、外来患者で溢れている状態だということである。そんなおり、高齢者が考えなければならないことは何か。第一に、病気にかからないことだ。第二に、けがを負わないことだ。第三に、万一、罹患・負傷した場合には「自分で治す」ことだ。ただし、「生兵法は大けがの元」、素人の治療ほど危ないものはない。かといって、信頼できる専門家(医師)も多くはない。ほとんどが、患者と真正面から向き合い視診、聴診、触診することなく、画面や画像を「見て」御託を並べているのが現状ではあるまいか。つまり、患者に寄り添い、患者の立場で治療に取り組もうとする専門家のなんと少ないことか。でも、いや、だからこそ、患者になった高齢者は「自分で治す」ことを目指さなければならない。そして、そのために、今こそ患者は連帯するべきなのである。「患者同盟」の設立を! 患者は、自らの罹患体験、負傷体験、病状記を報告(情報交換)し合い、共有財産とすべきである。そのためのサイトを作ろう!それぞれの病状に特化したものでよい。さしあたっては『心筋梗塞患者同盟』(循環器内科)、『脊柱管狭窄症患者同盟』(整形外科)、『逆流性食道炎患者同盟』(消化器内科)といったサイトを創設しよう。なぜなら、そうした病状に関する雑誌、単行本が巷間に溢れ、玉石混淆の情報が入り乱れているからである。患者は、自らの体験をサイトに投稿するだけでよい。サイト(ブログでもよい)の管理者はそれを掲載するだけでよい。すでに、そのような試みが(知恵袋、教えてGooなどで)実践されているが、いかにも一方的、いかにもドライ、いかにも「上から目線」の情報が目立ち、寄り添う「温もり」が感じられない。つまり「○時間待ち」を誇る、行列のできる外来診察室と大差ないのである。どなたか、「患者同盟サイト」の設立にお力を!! (2019.4.3)