「オカシイなあ」 ボクはもうヤケクソになって、というより情けなくなってそうつぶやいた。そしてズボンのお尻に手をやるのも、メンドウだった。「何がオカシイのですか」ボクはなんだかそのヒトがボクのコドモのような気がしてきた。ボクはフンワリとベンチから立ち上がって、駅の方へ歩き出した。「知らないんで... 続きをみる
駅のブログ記事
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「何してるのよ。そんなところにねころがって、いやらしい」 K子さんの声です。でも意外なことにその声は、ボクがそうした甘ったれたボクを思わず見つめなおさざるを得ないほど、強烈でそれゆえにあたたかい響きを持っているような気がしました。それが余りにも意外であったために、返す言葉がすぐに... 続きをみる
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一時間ばかりたったころでしょうか。窓の景色をながめているはずのK子さんが唄うようにつぶやいたのです。 「春の海ひねもすのたりのたりかな」 そのとたんに汽車がガタンととまって浜辺の駅につきました。ボクが待ちに待っていたそのときに、またもやK子さんのつぶやきによって驚かされ、ボクはオロオロし... 続きをみる