梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

猛暑と「学校教育」

 猛暑が続いている。今までに経験したことのない、生命の危険にさらされる暑さである。熱中症による死者が続出している。なぜ、こんなことになっているのか。それは人類が地球の環境を破壊しているからである。地球が人類に報復を加えているのである。自然災害のすべてが、地球の報復なのである。昭和20~30年代、真夏の気温は最高でも33度くらいであった。人々は氷柱を置き、団扇で涼を求めた。要するに、扇風機、クーラーなどの電化製品はごく一部の裕福な家にしかなかったのである。70年後の今、ほとんどの建築物にはエアコンが設置されている。そのことが地球環境を破壊し、みずからを生命の危険にさらしているのである。
 そのことはともかく(嘆いても始まらない)、この炎天下の中、「学校教育」の名の下に様々な行事を実施し、子どもたちの生命を危険にさらしていることは許せない。ある小学校では死者が出た。校長も教員もただちにその責任をとるべきである。また、恒例の「高校野球・地方大会」も、無反省に行われている。主催者に申し上げる。現代の夏は、昔の夏とは違うのだ。若者だから、体を鍛えているから、暑さと戦うことも強さだ、などという軽薄な「精神主義」を振りかざしてはならない。雨天の場合は「試合中止」するのと同様に、猛暑の場合も「試合中止」にするくらいの《判断力》を備えてもらいたい。それが、主催者としての責任(見識)であり「実力」である。くれぐれも、地方大会・全国大会に参加した選手・応援団の生徒たちに事故が生じないよう祈る。
(2018.7.21)