梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「急性心筋梗塞」・《夏バテ》

 昨日は気分がよかったので、午後1時過ぎから自転車のペダル漕ぎを「休み休み」10分程度行ったが、夕方から息苦しくなり、安静にしても治まらない。体温、脈拍はいつも通りだが、最低血圧が90を超えている。「何かあったら、ためらわずに病院に電話をしてください。」とリハビリの看護師から言われていたので、午後6時ごろ病院に電話した。代表電話にはつながるが「循環器内科」にはつながらず「救急担当」へ回された。しかし「ただ今、重症患者に対応しております。後ほどおかけ直し下さい」というメッセージで切れてしまう。代表電話の確かめると、今は(内科は)勤務時間が終わったので、すべて「救急担当」の他にはつなげないとのこと。その状態が続き、7時を過ぎてやっとつながった。事情を話し、放置しておいてもよいかと尋ねると、「すぐに来て下さい」と言われた。今、地域は「夏祭り」の真っ最中で、救急車は入れない。
 「まだ歩ける」と思い、駅前のタクシー乗り場に徒歩で向かう。約15分程の道のりだが、不思議と歩ける。「脊柱管狭窄症」の症状が出ないことに驚いた。しかし、驚いている場合ではない。タクシー乗り場に到着したが、肝腎のタクシーが1台もない。待つこと15分、やっと地元のタクシーがやって来た。病院への道のりも渋滞気味で、やっと救急入口に着いたのが午後8時頃であった。ただちに院内着に着替え、「点滴」「血液検査」「心電図検査」「血圧測定」「体温測定」を受ける。担当医が来て「どんな感じですか」と尋ねる。「痰が絡むような感じで息苦しいのです」「他には?」「脱力感、倦怠感、食欲不振、吐き気など、薬の副作用として挙げられている症状もあります」。医師は、心電図のデータを確認、心臓のエコー検査を実施しながら「心不全という状態ではありません。術後の状態としては、心臓はよく機能している方です」と言った。「息苦しさの原因は不明ですが、他の症状から察するに《夏バテ》が考えられます。クーラーは使っていますか?」「はい」。血液検査の結果では、肝機能、コレステロール、心負荷、貧血のデータに問題はなし、腎機能のデータに平均値からのずれが見られるが「水分摂取をこまめにとるように」と指示された。「以上です。もう帰ってかまいません。一晩泊まっていきますか?」「いえ、家に帰ります」と答えると、担当医は微笑んで「それがいいでしょう。お大事に」ということで診察は終わりとなった。
 昨晩の結果からわかったことは、「急性心筋梗塞」の症状は改善されている、という一点である。ただし、それは循環器内科の所見であり、他の不快感の原因は自分で明らかにしなければならない。とりあえずは「夏バテ」という見解に従って、《塩分制限》を解き、ストレス解消のためビールの摂取(週2日・350ml)を試みよう、と思った。
(2018.7.22)