梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「急性心筋梗塞」・《モーツアルト》

 案の定、昨日、帰宅後の体調は「良好」とは言えなかった。動悸、息苦しさ、吐き気、食欲不振といった症状が繰り返される。「心臓リハビリ」の影響か、猛暑の影響か、原因は不明である。「心臓リハビリ」の看護師いわく「体調が変化したときは、遠慮なく病院に連絡してください」「どこに電話すればいいのですか」「まず、代表電話。次は内科です。診察券の番号を言えばカルテがわかりますので、すぐに今後の指示があると思います」。昨日も病院に電話してみようと、一瞬思ったが、「ええ面倒だ、もう少し様子を見よう」とベッドに横になる。そして、モーツアルトのCD(「音楽療法」)を聴く。このCDは「最新・健康モーツアルト音楽療法・PART2:血液循環系疾患の予防(高血圧、心筋梗塞、脳梗塞など)」(監修・選曲・解説:和合治久・埼玉医科大学短期大学教授)というタイトルで、以下の楽曲が収められている。①ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466 第2楽章(9分58秒)、フリードリヒ・グルダ(ピアノ)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:クラウディア・アバド、②ピアノ・ソナタ第15番 ハ短調 K545第1楽章(3分12秒)、③同 第2楽章(5分47秒)、アリシア・ラローチャ(ピアノ)、④ヴァイオリン協奏曲第3番ト短調 K216 第1楽章(9分18秒)、ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:ニコラウス・アーノンクール、⑤弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調 K515 第2楽章(5分44秒)、⑥同 第4楽章(7分16秒)、メロス弦楽四重奏団・他、⑦ピアノ協奏曲第23番 イ長調K488第1楽章(12分14秒)、ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)、ロンドン交響楽団 指揮:クラウディオ・アバド。(録音:1974年~1986年)
 私は1時間弱のこのCDを聴きながら横になる。時には寝入ってしまうこともあるが、不思議と「体調」が回復するのである。20年ほど以前にも「無症候性脳梗塞」を患い、このCDのおかげで、治癒を認められたと思っている。今回もまたこのCDは、なくてはならないという存在になった。退院以来、連日、このCDに聴き入り、体調不安定の危機を乗り越えているような気がする。
 昨夜から今朝にかけて、目が覚めるたびに、このCDを「かけ直し」たので、昨日よりは「気分よくなった」(元気・食欲が出た)ような気がする。
 その要因が、モーツアルトにあるのか、昨日の「心臓リハビリ」にあるのか、それは今のところわからない。(2018.7.18)