梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・1・序・「昭和えれじい」


 「文藝春秋」2023年11月号で、作家の五木寛之氏が、千年後まで残す昭和歌謡を100曲選んで「昭和万謡集」を編もうと、識者に呼びかけているそうだ。
 ならば、僭越ながら私も独断と偏見で、その100曲を選んでみたい。


1 「昭和えれじい」(詞・吉田旺 曲・船村徹 歌・ちあきなおみ)


《寸感》
 ちあきなおみの「昭和歌謡」は傑出しているが、なかでも「酒場川」(詞・石本美由紀曲・船村徹)と「昭和えれじい」は名品である。どちらも「女の語り」であり、前者は「男」に向けての愛別離苦がテーマ、後者は「憂き世に生きる辛さ」を「酒」に語りかける。「昭和」という時代を「達観」しているような印象を受ける。難曲であり、シロウトには歌えない。岩本公水がカバーしている。
(2023.10.16)


昭和えれじい~唄 ちあきなおみ (日本レコード大賞受賞者)

酒場川 昭和うた ちあきなおみ