梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

丸山穂高議員の《酒癖》

 連日、丸山穂高議員の「戦争発言」について取り沙汰されているが、「言論の自由」が保障されている限り、彼が何を言おうとかまわない。私が問題だと思うのは、その発言が「酒に酔って」行われたことだ。丸山穂高議員は、なぜ「シラフの時」にそのような発言をしなかったのだろうか。《酒に酔ってでもいなければ》切り出せる話ではなかったからか。それとも、《酒に酔ったフリをして(どさくさに紛れて)》発言し、相手や周囲(世間)の反応を見たかったからか。いずれにせよ、彼もまた「東大卒」、一端の政治家であれば、今回の事態になるだろうことは「想定内」の話であろう。
 ウィキペディア百科事典の記事によれば、酒に絡む不祥事は今回が初めてではない。
2015年、東京・蒲田の居酒屋で飲酒後、複数の男性らともみあいになり、暴行(傷害)事件を起こしている。トラブルの原因は不明だが、双方は警察で和解した由、しかし、《その後党幹事長より厳重注意を受け、丸山は「公職にいる間は断酒する」と陳謝し、再度飲酒した場合は議員辞職する意向を示した》と記されている。だとすれば、彼はその時の「公職にいる間は断酒する」という言葉を違えたのであり、必然的に「議員辞職」しなければないということになる。
 要するに、丸山穂高議員は「酒癖が悪い」もしくは「酒に酔わなければ、思っていることが言えない」程度の政治家に過ぎないということなのだ。まして「戦争」の実相、本質など「記録映画」程度の理解しか持ち合わせていないのだろう。「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」などという《小学生(学級会)並の》言辞に対しては、「戦争って何ですか」「戦争とは人を殺すことです」「戦争をしないとどうしようもなくないと考えるのは、あなたのように考える力が不足しているからです」程度の答えで十分だ。
 「言論は自由」だから、何を言ってもかまわない。でも「酒に酔って」(酒に酔ったフリをして)言うのは、政治家にはふさわしくない。まともに取り合わないことが肝要である。(2019.5.21)