1960年のブログ記事
小説・ひばり(4)
・・・あなたは1960年6月15日の正午、どこで何をしていましたか。 漠然とした不安が、一つの焦りとなって私を震撼させた。一つの真実ではなく、もう一つの事実を要求する取調官の問いかけは、はたして私自身の存在にとって致命的なものであったろうか。 ・・・よくおぼえておりません。 そういえば、酒宴の人々... 続きをみる
小説・ひばり(3)
私が思わず居間の方をふりかえると、父はそこに集まった客の間から間へと、何事も無かったようにニコニコと、酒を注いで回っていた。これは何かの間違いではあるまいか。私としては、そうとしか考えようがなかった。だが、もし間違いであればなおさらのこと、私は警察に出頭しなければならない。とはいえ、逮捕令状もな... 続きをみる
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