抱く、抱かない、抱かない、抱かない、抱く、不遜にもボクはそんなことをつぶやきながら、プラット・ホームの女の子を眺めていた筈だ。そんなとき、その中の一人が度の強いメガネをはずして涙をふいていて、それがたしかボクのいたはずの恋人だったんだ。抱かない。悲しいんじゃないんです。太陽がまぶしいのです。オン... 続きをみる
恋人のブログ記事
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「何してるのよ。そんなところにねころがって、いやらしい」 K子さんの声です。でも意外なことにその声は、ボクがそうした甘ったれたボクを思わず見つめなおさざるを得ないほど、強烈でそれゆえにあたたかい響きを持っているような気がしました。それが余りにも意外であったために、返す言葉がすぐに... 続きをみる
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ボクは夢をみることがある。恋人を、何よりもまず愛しています。ボクには仕事があります。ボク達は生活しています。おまわりはいません。恋人は安産しました。交通巡査たちは木刀を抜いた。何のために。仕事のためにだろうか。生活のためにだろうか。交通の整理に木刀はいらない。国会議事堂は、木刀では守れない... 続きをみる
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サイダーを二人で乾杯したととき、ボクの恋人は流産した。妊娠していることを知らなかった。ボクは、それによってできた恋人の裂け目に手を入れて、引き裂いたのかもしれない。コドモが出てきただろうか。苦しい。愛しているんです。すべてを忘れた方がいいと思います。退屈な生活があるはずがないというような主... 続きをみる