梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私の《病状管理》・9

 今日は今月6日に行った「薬剤負荷心筋シンチグラフィ検査」の結果が判る日だ。午後2時過ぎ、大学病院に赴いて主治医の話を聞いた。「先日は、検査お疲れ様でした。結果を見ると、負荷をかけた時、安静にした時の心臓の状態に、変化はありませんでした。ということで、心筋梗塞の事後の経過は順調です。今後は(次回の診察の時)近所のお医者さんに紹介状を書きますので、そちらで診てもらうようにしましょう」「近くに循環器内科の先生は見当たらないのですが・・・」「もう専門医でなくとも、内科医なら大丈夫です。皆、同じですから」。要するに、主治医は「もう大丈夫!」と私を見放したということである。もうあなたは健康体に戻ったのだから、その管理は自分でおやりなさい、ただし、処方された薬は今までどおり飲み続けるように、ということだ。一抹の不安はあるが、力強い励ましとして喜ぶべきことだろう。今、手元にある薬を全部飲み終わったら、あと1回、主治医の診察を受け、それで終了ということになった。
 昨年11月から年末にかけての「出血」(下血)症状について主治医も承知済みらしく「痔出血があったようですね」と訊ねたので、私は11月・12月のカレンダーに記入した「バイアスピリン」から「プラビックス」への変更、服薬と休薬の期間、出血のあった日の記録を示すと、一瞥して、「プラビックスはバイアスピリンよりも強いので出血しやすくなります。エフィエントも同様に強い薬でしたが術後1年が経過して順調だったので止めました。プラビックスに変えたことで湿疹は治まりましたか」「・・・あまり変化はないようです。今、(残っている)バイアスピリンを飲んでいますが、出血はありません」「それなら、バイアスピリンの方がいいかもしれませんね。今度からはバイアスピリンを出すようにしましょう」。
 私は、心中で、「仮説は検証された。あの下血は、大腸憩室からではなく痔核からの出血だった。プラビックスはバイアスピリンよりも出血しやすいことが立証された」と思った。でも、そんなことを主治医に言ったところで、今さらどうなるものでもない。要するに、駅前病院の消化器内科医の「見立て違い」ということである。年末8日間の入院治療は何だったのか。しかし、担当医を責める気などさらさらない。私自身が未熟だったのである。自分の体を客観的に観ることができなかったのだから。
 最後に、歯科医からの「対診書」のことについて確認すると、(受付の事務員に手渡しておいたはずだが)まだ主治医の手元には届いてない様子だった。「抜歯の予定があるので、その問い合わせです」と言うと、「心臓の状態は心配ないので、抜歯は可能です。こちらからも連絡しますが、もし間に合わなかったら、そのことを口頭で伝えてください」ということだった。
 心筋梗塞の発症から1年7か月、ようやく(循環器系疾患は)「快復」の段階に至ったようである。あとは、49kgまで減った体重をどのように増やすか、血圧、中性脂肪、コレステロールに気をつけながら、どのような生活を送ればよいかが、大きな課題である。
(2020.1.15)