梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

《新元号「安久」など回避方針》

    今日のYAHOOニュースに《新元号「安久」など回避方針》という見出しの記事が載っている。その内容は以下の通りである。
〈平成に代わる新しい元号について、政府は民間の元号予想ランキングで上位となっている案をなるべく避ける方針だ。4月1日の有識者による「元号に関する懇談会」などに提示するのは5案以上とする。新元号は同日正午までをメドに菅義偉官房長官が発表し、その後に安倍晋三首相が首相談話を発表する方向で最終調整している。〉
〈民間で流行している元号予想で取り沙汰されている「安久」などの案について、政府関係者は「俗用の一種に当たるので、なるべく避ける」と語る。よくある人名や大企業名などは使わない方針だが、中小企業や小さな商店などの名前と重複することはあり得るという。政府高官は「俗用されていても、よい意味であれば総合評価で選ばれることもある」と話している。〉(朝日新聞デジタル)
 したがって、新元号が「安久」になる可能性はなくなり、また予想ランキングで取りざたされた「案」もすべてボツということになる。マスコミ関係者が悔しがる姿が目に浮かぶが、私に言わせれば「どっちもどっち」未熟の極みだ。マスコミは世紀のスクープを試み、政府はすっぱ抜かれる「間抜けさ」を必死で防ごうとする。ランキング上位の元号になり「お見事!さすがマスコミ!」と誉めそやしたところで、今さら政府の貫禄(度量)が下がるわけでもあるまいに(もう落ちるところまで落ちていることに気づくこともできない未熟さを嗤うほかはないが)。もともと(日本国内でしか通用しない)「元号」などという代物は「不便きわまりない」ことを承知していながら、天皇制を標榜する民族主義者を慮って、いつまで続けるつもりなのか。加えて「新元号で一儲けしよう」などという輩もいるようで、実に情けない「世の中」になってしまった。出るは溜息ばかりなり・・・。 
(2019.3.29)