梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

脊柱管狭窄症・Ⅳ・「MRI検査」

 今日は○○中央病院で脊柱管狭窄症の「MRI検査」を受ける日だ。本来なら8か月前に受けるはずだったが、急性心筋梗塞を発症したために延び延びになってしまった。検査は17時からということで、受付は16時30分に指定されている。予約表の注意書きを見ると、金属類、ヒートテックの下着、湿布薬、エレキバンなどは身につけないようにと記されている。私は木綿の下着に着替え、背中、腰、手、足に貼り付けているゲルマニウム、エレキバンをすべて取り去り、検査に臨むことにする。自宅近くを通る送迎バスの最終便の到着は15時30分なので、病院で1時間ほど待たなければならないが、「まあ、いいか」ということで、15時ころ自宅を出た。
 16時15分過ぎに受付を済ませると、直ちにMRI検査室へ・・・。担当技師が「金属類(ジッパー、ボタン)はついていませんか?ヒートテックの下着は着ていませんか」と確認する。「身体の中にペースメーカーなどは?」と言うので「ステントが1本、心臓に入っています」と答えると「お医者さんは今日の検査を知っていますか」「はい、承知しています」「では、ズボンだけ検査着に着替えてください。はじめましょう。時間は20分ほどです」。ということで、検査室に入り、ベッドの上に横たわった。「身体を動かさないでください」。全身が円筒状の中に移動すると、まもなく機械音が出始める。相当にうるさい。また相当に長く続く。以前にもMRI検査を受けたことがあるが、それは脳梗塞の診断のためであった。その時は「すぐに終わった」ような気もする。今回は脊椎、腰椎の画像診断のためだからか、なかなか終わらない。人の声はいっさいしない。ただ様々な機械音だけが延々と続く。「何分たったろうか」などと思うが、たしかめようもない。なるほど、閉所恐怖症の人には耐えられないだろうな・・・、などと考えていると、こちらまで息苦しくなる。やがて、機械音が間遠になり止まった。検査室のドアが開き「終わりました。お疲れ様でした」という声がした。
 検査室の前では次の被検者が待っている。更衣室で時計を見るとちょうど17時であった。予定よりも30分早く終わったが、以前の時よりもかなり疲れた。それは、検査の時間が長かったためか、それともこちらの体力が衰えたためか、自分ではわからない。いずれにせよ、来週の月曜日には医師の診断・処方がはっきりする。楽しみに待ちたい。
(2019.3.12)