梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

森のブログ記事

森(ムラゴンブログ全体)
  • 小説・フライトレコード(4)

        ボクはどこにいるのだろう。探さなければならない。フワフワヒラヒラ。雨やむな。トウキョウの上。アヴァヴ・ザ・トウキョウ。電車の屋根が濡れて光った。お嬢さんがコビトになって先生を抱いたまま森の方に歩いて行った。先生、どこに行くのですか。ボクを知りませんか。森へ行こう。森の上。眼をつぶってフワリ... 続きをみる

  • 小説・「ダイアローグ・公園」(2)

     そのヒトとすわっている公園のベンチのまわりにも、水銀灯がチラホラとつき、あたりは暗くなりはじめた。ボクがモジモジしていていっこう煮えきらないのに、そのヒトはまるで平気だった。偉いな、とボクは思った。なんだかそのヒトが、ボクのお父さんのように思えてきて、甘えてもいいかしらなんて勝手に決めてしまいそ... 続きをみる

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