梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・55・「カスバの女」

55「カスバの女」(詞・大高ひさを 曲・久保山明 歌・エト邦枝)
《寸感》
 この曲は、昭和30年、映画「深夜の女」の主題歌として制作されたが、映画が制作中止となったので、自然消滅し、歌唱のエト邦枝も芸能界を去ることになった。その12年後、緑川アコがカバーしたところヒットし、竹越ひろ子、沢たまき、扇ひろ子らも歌うようになった。
 大高ひさをはフランス映画「望郷」を下敷きにして作詞したそうだが、私にはアメリカ映画「モロッコ」の情景(ゲーリー・クーパーとマレーネ・デートリッヒの交情)が浮かんでくる。
(2023.12.9)