梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・24・「石狩エレジー」

24「石狩エレジー」(詞・桂土佐海 曲・古賀政男 歌・霧島昇)
《寸感》 
 霧島昇の数多いヒット曲の陰に隠れた、珠玉の名品である。詞は雑誌「平凡」のコンテストに応募した当選作だそうだ。どこか「流れの旅路」(詞・吉川静夫 曲・上原げんと 歌・津村謙)の空気も漂う。「あの娘の馬車」は、「夜汽車」に変わり、「ふと知り合った」レビューのスターを「君」と呼べるほど、親しくなっていたか。「流れの旅路」(昭和23年)から「石狩エレジー」(昭和28年)まで・・・、5年の歳月が流れたことになる。(2023.11.8)

石狩エレジー 霧島昇