梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・20・「教訓・Ⅰ」

20 「教訓・Ⅰ」(詞・加川良 曲・加川良 歌・加川良)
《寸感》
 戦前の「大日本帝国」にいたのは「国民」ではなく「臣民」だった。天皇の家臣という意味である。明治以後、日本は戦争を繰り返したが、いずれも。主権者である「天皇」に殉じる戦いであった。「臣民」は「大日本帝国」を守るために戦わされ、「天皇陛下万歳」と叫んで死ぬことが「名誉」とされた。昭和20年、敗戦により「大日本帝国は」は消滅した。変わって「日本国」となり、「臣民」は「国民」という主権者になった。戦争を永久に放棄する憲法を制定した。だから、日本には兵役の義務がない。
 本来、国は民を守るための機関’(組織)でなければならない。民は国から守られる権利があるのであって、国を守る義務は民にはない。民を守れない国は、戦争を繰り返し、民を「殺し合わせる」。騙されてはいけない。「お国のために、死んで“男”になれ」などと言われて、ついふらふらと・・・。 
 戦争は「殺し合い」であり、戦場は「地獄」だ。『逃げるが勝ち』この至言(真理)を加川良が見事に歌い上げる。(2023.11.3)



加川良 「教訓 I」 Kagawa Ryo "Kyokun I" (Lesson One)