梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・3・「おんなの夢」

3 「おんなの夢」(詞・悠木圭子 曲・:鈴木淳 歌・八代亜紀)
《寸感》
 この歌の作詞は悠木圭子、作曲は鈴木淳、二人は夫婦の間柄。世に「おんなの・・・」というタイトルの演歌は多いが、その作詞はほとんどが男だ。「女のためいき」は吉川静夫、「女のみち」は宮史郎、「おんなの海峡」は石本美由紀、「女の港」は星野哲郎、「女の出船」は山田孝雄というように。でも、「おんなの夢」の作詞は女、「一度でいいから人並みにあなたの妻と呼ばれたい」という文言以降に、嘘は感じられない。しかも、その希望は叶ったのだから。女の立場で「おんな」を謡った希有な作品といえよう。
(2023.10.17)



おんなの夢 八代亜紀