梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

ロシアとウクライナ

 ロシアがウクライナに侵攻し、「戦争」状態が続いている。今、最も大切なことは、その「戦争」を止めさせることだと思われるが、世界各国にそのような「動き」はみられない。なぜだろうか。まず考えられるこは、両国が「戦争」を始め、続けている方が「都合がよい」と多くの国が思っているからであろう。要するに、その方が「儲かる」(得をする)からだ。一般に「戦争によって得られるものは何も無い。破壊と死が待っているだけだ」などと言われるが、それは「きれいごと」であり、実際は「真逆」である。
 事実、日本も第二次世界大戦で「大損」したが、直後の朝鮮戦争で「ボロ儲け」したではないか。今もまた、ロシアとウクライナの「戦争」を傍観しながら、「ボロ儲け」している国があるはずである。
 しかし、当事国のロシアとウクライナにとって「儲かる」ことは皆無であろう。なぜなら、これまでにも多くの戦死者を出し、これからも多くの国民を死に追いやることは必至だからである。それ以上の「損失」はないのである。「命あっての物種」「死んでしまえば何も残らない」のだ。両国の大統領のあり方が比較対照され、どちらに義があるかなどと取りざたされているが(日本ではウクライナに対する応援の風潮が強いが)、一国のリーダーとしては、多くの国民を犠牲にしている点では、両者とも「失格」だろう。
 「戦争(ケンカ)は止めて話し合いなさい」、子どもでもわかる、こんな単純なことが通用しないなんて、情けないと思うのは私ばかりだろうか。
(2022.10.12)