梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2022年の《大団円》

 今年もあと1日、そんな時「最後を飾る」「すばらしいニュース」を見つけた。以下の通りである。


〈「なめるなクソガキ」電話の主は豹変した 高齢者救った大学生の対応
                     12/27(火) 11:58配信 朝日新聞デジタル
 福岡工業大学(福岡市東区)の3年、蔵森歩さん(21)と今西秀太さん(21)は、「なめるなよクソガキ」「こっちは暴力団とも関係があるんだ」という脅しも受けながら、電話詐欺被害に遭いそうになったお年寄りを助けた。
 11月下旬。2人は大学付近で、80代の女性から「ゆうちょ銀行のATMを探しています」と声をかけられた。現金を振り込むとのことだったが、どこか不安そうだった。
 直後、女性の携帯電話に着信があった。今西さんが替わった。
 電話の相手の男は「NTT関連のサポート会社の者」と名乗り、「携帯電話の使用料として9万9600円を振り込んでほしい」と求めてきた。遅れると30万円請求するという。
 今西さんは詐欺と確信し電話を切った。再び着信。今度は蔵森さんが替わって問い詰めた。すると男は豹変(ひょうへん)し、脅しをかけてきた。
 2人は携帯電話の電源を切り、大学の学生課に女性を連れていき、保護した。
 女性は一人暮らしで誰にも相談できなかったといい、「助けてくれてうれしかった」と述べたという。
 蔵森さんは「男にすごまれたときは手が震えたが、おばあさんの不安を思い勇気をもって対応した」、今西さんは「詐欺は被害者の心まで深く傷つける。防げてよかった」と話した。
 2人には26日、福岡県警東署から感謝状が贈られた。(前田伸也)〉


 こんな若者がいるなんて! まだ「世も末」ではないことを確信した。政府は、警察に代わって高齢女性を救った二人の行為を「表彰」し、全国民に知らしめるべきだと、私は思う。おかげでよい年を迎えられる。二人に感謝したい。
(2022.12.30)