梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

今、何をすべきか(3)

 第3は、感染者イコールPCR検査陽性者という意味づけを変えて、感染者イコール発症者という意味にすべきである。この疾病が指定感染症(2類相当)に位置づけられているので《無症状の陽性者》も感染者に含まれるという考えなのだろうが、あまり有効とは思えない。PCR検査陽性者のうち、何人が発症者(患者)なのか。厚生労働省のホームページでは、①「PCR検査陽性者数」と②「入院治療等を要する者の数」、③「そのうち重症者数」が示されているが、医療現場にとって重要な数値は、②と③であることはいうまでもないだろう。したがって、感染者数イコール発症者数(②)とするべきだと、私は思う。厚生労働省のホームページには、「新規陽性者数の推移(日別)」「入院治療等を要する者等推移」の棒グラフが図示されているが、両者は《ほぼ同じ》傾向に見える。したがって、感染の推移を見るためには、後者の「入院治療等を要する等推移」および「重症者数の推移」を見れば事足りるのだ。
 この疾病が流行り始めた当初、尾身茂氏は「感染者が何人いるかは誰にもわからない」と公言した。にもかかわらず、これまでその「誰にも判らない」数値をカウントし続けてきたのは何故なのか、私にはわからない。発症者(「入院治療等を要する者の数」)は、《今、医療機関で受診している》のだから、誰にも数えられる。その数値で、感染の推移・動向を測ることが重要である。
 また、前述したように、厚生労働省のホームページでは、「新規陽性者数の推移(日別)のグラフが示されているが、同様に「新規退院者数の推移(日別)」「新規死亡者数の推移(日別)」も数値を添えて図示すべくだと、私は思う。
(2021.8.24)