梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

今、何をすべきか(4)

 第4は、「新型コロナワクチン」に関する情報を《透明化》することである。現在、6300万人余りが接種を終えた。ほぼ国民の2人に1人の割合である。このワクチンの効果は《発症や重症化を防ぐ》ことであり《感染を防ぐ》ことではない。だから、ワクチンは《自分の身を守る》ために打つのである。ところが、ワクチンを打てば《感染しないし、感染させることもない》と考えている向きも少なくない。その代表が、ワクチンは《皆のために打たなければならない》という考えだ。ワクチンを打つ、打たないは《個人の自由》だが、《公共の福祉のために打つべきだ》といった主張をしている専門家もいた。もし、ワクチンで《感染を抑える》ことができるなら、国民の半数がすでに接種済みなのだから、今のような《感染爆発》は生じないはずである。
 また「接種券」と一緒に送られてきた保健所の文書(説明書)には(副反応について)「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまで明らかになっていない症状が出る可能性があります。接種後に気になる症状を認めた場合は、接種医あるいはかかりつけ医に相談しましょう」と記されていた。どのような副反応が出るか、《未知の部分》があることを、保健所自体が認めていることになる。まして、「血液サラサラになる薬を飲んでいる場合には必ず医師に伝えるように」などと言われれば、接種をためらうことが当然だろう。あいまいで不透明な情報が、困惑と混乱を招くことはたしかである。ワクチンの有効期間も不確かだ。いつまで効くのか、何回打てばよいのか。「ともかく2回打って様子をみる」という現状ではあるまいか。接種後の「死亡事例」についても、相関関係、因果関係の《有無》について、専門家は明確な判断を示すべきである。
 ワクチンを《ビジネス》としてではなく《医療》本来の立場から、具体的にわかりやすく説明するのが専門家の《責務》ではないだろうか。 
(2021.8.25)