梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「本当はこわくない新型コロナウィルス」(井上正康・方丈社・2020年)通読・5《第2章 コロナウィルスとは》

《第2章》コロナウィルスとは(要約)
■変わり身が速い「RNAウィルス」
・コロナウィルスは、太陽のコロナのように、表面からスパイクと呼ばれるタンパク質を突き出している。
・コロナウィルスは「RNAウィルス」の仲間で、1本鎖のRNAという遺伝子を持っている。ヒトの細胞は2本鎖のDNA遺伝子を持っており、「二重らせん構造」をしている。DNA遺伝子の場合は2本の鎖がお互いのデータを補完し合うため、どこか一部が壊れても反対側のDNA鎖で元通りに修復できるので、なかなか突然変異を起こさない。一方、1本鎖のRNA遺伝子はバックアップの役割を果たす対の鎖がないため、壊れると元通り修復することができないので、突然変異を起こしやすい。
・RNA遺伝子を持つウィルスは、“変異を繰り返しながら多様性を拡大”することによって、生存のチャンスを拡げていく。新型コロナウィルスが次々と出現するのはこのためだ。


■新型コロナは7番目の新参ウィルス
・ヒトのコロナウィルス(HCoV)には、大別して4種類がある。(表1・HCoV-229E
(1960年代)、HCoV-OC43(1960年代)、HCoV-NL63(2000年代)、HCoV-HKU1(2000年代)・・・土着の風邪コロナ)
・これら4種のHCoVに加え、2002年にはSARS-Cov(サーズ)、2012年にはMERS-CoV(マーズ)と呼ばれる2種類の強毒コロナウィルスが生まれた。(サーズの致死率10%、マーズの致死率40%)
・今回の新型コロナウィルス(SARS-Cov-2)は7番目に出現したコロナウィルスの仲間である。
・コロナウィルスはコウモリを宿主としていたが、ヒトを宿主とするHCoVとなり、長年にわたり東アジアを中心に風邪の病原体として共存してきた。そこに新たにSARS-Covやヒトコブラクダを宿主としていたウィルスが変異してMERS-CoVが誕生し、ヒトにも感染するようになった。
・今回の新型コロナウィルスが「SARS-CoV-2」と呼ばれているのは、コウモリ由来のSARS-CoVと兄弟のようによく似ており、サーズやマーズのような大惨事を引き起こす可能性があったため、世界的に恐れられた。


【感想】
・コロナウィルスはRNAウィルスの仲間で、RNA(一本鎖)という遺伝子を持っており、壊れると修復できないので、突然変異を起こしやすく、そのために新型が次々と出現する。今回の新型コロナウィルスは7番目で、サーズとよく似ていたので世界的に恐れられた、ということである。
・では、致死率10%のサーズと比べて、どこが、どのように違うのか知りたい、と思った。
(2021.1.4)