梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

尾身茂会長のインタビュー

 1月13日夜のNHKニュース番組で「尾身会長に聞く」というインタビューが放映された。コロナ感染から1か月後、尾身会長は「突然」姿を現したことになる。私は昨年12月末に「おそらく「重症化」することなく「軽快」しただろうと想像はできるが、報道関係者も沈黙を続けているのはなぜか。」と書いたが、その想像は当たったということになる。しかも、そのインタビューでは、尾身会長自身のコロナ感染について、いっさい触れることはなかった。まるでそんな事実はなかったかのように彼は振るまい、インタビュアーもまた、あえて問いただすことはなかった。なぜだろうか。そんなことはどうでもよいことだと言うのか。尾身会長は、まず、感染対策のリーダーであるにもかかわらず、自らが感染してしまったことを「反省」し、その感染経路、症状の程度、療養の実際、回復までの経過について明らかにしなければならない「立場」にあるはずだ。また、NHKにも、そうした情報を報道する義務があると思われるが、あえてそのこを追求しなかったのはなぜか。まさか「個人情報に関することだから」という理由でもあるまいに・・・。
 インタビューは90分にわたって行われたが、その内容のほとんどは「すでに伝えられている」ことばかりの繰り返しで、何の参考にもならなかった。
 そもそも尾身会長は、コロナ感染に関する様々な見解を「包括的に説明」するだけで、専門家としての見識に乏しく、感染対策の先頭に立つべき資質に欠けているのではないか。混迷はいつまでも続く、と私は思う。
(2023.1.14)