梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナ「2類相当から5類へ」の《根拠》

 政府は「新型コロナウィルス感染症」の位置づけを「2類相当」から「5類」に引き下げることを決定した。その根拠は何か。
 私はこれまで厚生労働省ホームページで示される数値をエクセル入力して、「陽性者数」「入院治療を要する者の数」「重症者数」「一日当たりの新規死者数」の推移を見てきた。そのグラフは以下の通りである。

 上のグラフからわかることは、①「陽性者は依然として増え続けている」、②「入院治療を要する者は、第7波が最多だったが減少の傾向が見える」、③「重症者は第5波の時最多であったが以後は減少の傾向である」、④「一日当たりの新規数死者数は第5波まではピークが200人未満であったが、第6波、第7波は200人を超え、第8波では400人を超える勢いである」、ということだ。
 つまり、入院治療を必要とする者、重症者は、この3年間で減っているが、感染者(陽性者)、死者は《依然として増え続けている》ことがわかる。
 そのような現状なのに、政府がこの感染症の位置づけを「2類相当」から「5類」に引き下げるのはなぜか。そのことによって、感染者を減らすことができるのか。また、そのことによって新規死者数は減少するのか。
 世論は63%が「5類引き下げ」に賛成だそうだが、政府、専門家にはその《根拠》を明らかにする責務がある、と私は思う。
(2023.1.30)