梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・「第三波」の実態

 11月に入り、「新型コロナウィルス」の感染拡大は「第三波」を迎えたようである。専門家は「だんまり」を決め込み、政府は「経済優先」、マスコミは「不安を煽り立てる」、三者三様の構図は相変わらず・・・、国民は格安の国内旅行に魅力を感じつつも「感染したらどうしよう」という板挟みのストレスにさいなまれている。
 しかし、みなさんご安心を。ウィルスの病毒性は、第一波よりも第二波、第二波よりも第三波の方が「弱まっていく」というのが常識だ。事実、5月よりも7月の方が感染者数は多かったが、患者数、重症者数、死亡者数は少なかった。だから、感染者数の増減に惑わされてはいけない。ここ2日間の国内感染者数は1000人を超えたが、では患者数はどうか、重症者数はどうか、死亡者数はどうか、を見極めることが重要である。厚生労働省のホームページ(国内の発生状況)では、PCR検査実施人数2318683人(前日比+31140人)、陽性者数104782人(+1054人)、入院治療等を要する人数7179人(+364人)、重症者数189人(+6人)、死亡者数1806人(+12人)という数値が示されている。要するに、●陽性率(陽性者数÷検査実施人数)4.5%、発症率(要入院治療者数÷陽性者数)6.8%、重症化率(重症者数÷要入院治療者数)2.6%、致死率(死亡者数÷陽性者数)1.7%という数値が、11月6日時点での「現状」だ。この数値が今後どのように推移していくかで「第三波」の実態を把握することができる、と私は思う。
 ちなみに、5月、7月、8月、9月、10月の数値は以下の通りであった。
■5月15日:陽性率7.1%、発症率27.7%、重症化率5.2%、致死率4.3%
■7月15日:陽性率3.8%、発症率13.2%、重症化率1.2%、致死率4.3%
■8月15日:陽性率4.6%、発症率24.8%、重症化率1.7%、致死率2.0%
■9月15日:陽性率4.3%、発症率8.7%、重症化率2.6%、致死率1.9%
■10月15日:陽性率3.8%、発症率5.7%、重症化率2.8%、致死率1.8%
(2020.11.7)