梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《終息への兆し》

 新型コロナウィルスの感染拡大は、ようやく「鈍化」し、今後は終息へ向かい始める兆しが見えてきた。その根拠は何か。私は専門家ではないので、厚生労働省のホームページに日替わりで掲載される「陽性者数」「入院者数」「退院者数」「死亡者数」の数値と、「東京新聞」朝刊2面に連載されている《国内の新型コロナウィルス感染者》に表示されている数値に基づいて、「連続3日間」を一括りにして、《数値がその間にどれだけ増えたか》を計算し、4月17日以降の《増加率》の推移を辿ってみた。
 厚生労働省のホームページからは、以下のことがわかった。
①4月18日から、陽性者数の「連続3日間」の増加率は、4月25日までは、1.10倍であったが、4月23日~26日は1.07倍、24日~27日は1.05倍、25日~28日は1.04倍と下降傾向にある。
②入院者数も4月23日以降、1.06倍→1.04倍→1.03倍と下降傾向にある。③退院者数は、4月18日から23日まで1.48倍→1.62倍→1.58倍と増加傾向にあったがその後1.11倍まで下降した。しかし、24日以降1.15倍→1.16倍と上昇の兆しが見える。
④死亡者数は、一時(4月18日~23日)1.6倍台まで増加したが、以後は1.1倍台で推移している。
また、「東京新聞」の数値からは以下のことがわかった。
⑤4月18日から21日までの3日間で、感染者数の増加率が1.1倍以上の地域は以下の22都道府県であった。北海道、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、富山、石川、福井、長野、愛知、三重、大阪、奈良、鳥取、広島、徳島、香川、熊本、大分、鹿児島、沖縄。⑥4月19日から22日までは15都道府県、20日から23日までは18都道府県、21日から24日までは19都道県だった。
⑦4月22日から25日までは《減少に転じ》、10都道県になり、24日から27日までの3日間は、北海道、和歌山、鳥取、佐賀の4道県になった。
⑧直近の4月26日から29日は、北海道、青森、佐賀の3道県だけである。
 以上の①、②、⑦、⑧が、終息に向かい始めた兆しの根拠である。今、国内では東京、大阪、神奈川、愛知、福岡等、大都市での感染拡大が「3日間」1.1倍未満に抑えられている。それが終息へ向かう何よりの根拠だ。 
 しかし、今朝の「東京新聞」1面のトップ記事は、「新型コロナ 抗体検査5.9%陽性 市中感染の可能性 都内の希望者200人調査」という見出しであった。この調査に当たった医師は「現行のPCR検査で判明する感染者よりはるかに多く感染している可能性が高く、確実にまん延していると言える」と指摘している。
 だとすれば、私が判断材料とした公表数値そのものが「著しく信頼性の低い」ということになり、大前提が崩れるということになる。
 やはり、「10人に1人が感染者」(人を見たらコロナと思え)と思って、油断すべきでないということか。
(2020.4.30)