梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《不良品マスク配布の責任》

 政府が配布した布マスクから不良品が見つかった後、菅官房長官はマスクを(当初)納入した3社名(『興和』『伊藤忠商事』『マツオカコーポレション』)を公表し、(さらに遅れて)4社目(『ユースピオ』)を公表した。当初の3社は誰もが知る有名企業だが、4社目に公表された『ユースピオ』は無名に近い中小企業だ。なぜ初めに有名な3社を公表し、1社だけ遅らせて公表したか。政府は「例によって」その真相を明らかにしないが、だいたいの察しはつく。意図的に「後出し」することで、いかにも「怪しげな」4社目からも不良品が納められたような「印象操作」をするためである。案の定、野党の面々、メディアの中には、『ユースピオ』に的を絞って疑惑を追及するような風潮が生まれている。しかし、それでは政府の《思うつぼ》、いくら追及したところで不良品マスクと『ユースピオ』は結びつかない。なぜなら、政府は不良品マスクを納めた会社を隠蔽するために、『ユースピオ』が不良品マスクを納めていないという事実を確認したうえで、世論の矛先を、《意図的に》無名な会社に向けさせたのだから・・・、いわば「スケープゴート」に他ならない。
 《だから》野党の面々、メディアは、あくまでも不良品を配布した政府の責任、それを納入した企業の責任を追及しなければならない。しかし、昨日、今日の国会審議を見聞する限りでは、そのような動きは見られない。
(2020.4.29)