梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《「総括」・2》

 4月2日から3日にかけて、世界の感染者数・死者数の「増加」、「致死率」の様相は
以下のとおりである。(●は増加率の1.1倍未満、▲は1.1倍以上、■は不明・数値は「東京新聞朝刊」掲載の表《新型コロナウィルス感染者が多い国・地域》にもとづく)
《感染者数・増加人数・増加率・3日現在》(2日と比べて) 
●中国81620人(+31人*1.0003倍) ■韓国不明 ●イタリア115242人(+4668人*1.04倍) ●イラン53183人(+2715人*1.05倍)▲日本3796人(+351人*1.10倍) ●フランス59105人(+2116人*1.03倍) ●ドイツ79450人(+4702人*1.06倍) ●スペイン117170人(+7472人*1.06倍) ▲米国245573人(+29058人*1.13倍) ■スイス19303人(+1056人*1.05倍) ▲英国33718人(+4244人*1.14倍)●トルコ18135人(+2456人*1.15倍)
《死者数・増加人数・増加率・31日現在》(2日と比べて)
●中国3322人(+4人*1.001倍) ■韓国不明 ●イタリア13915人(+760人*1.05倍) ●イラン3294人(+134人*1.04倍) ●日本88人(+6人*1.07倍) ▲フランス4503人(+471人*1.11倍) ▲ドイツ1002人(+101人*1.11倍) ▲スペイン10935人人(+932人*1.09倍) ▲米国6058人(+939人*1.18倍) ▲スイス484人(+52人*1.12倍)  ▲英国2921人(+569人*1.24倍) ▲トルコ356人(+79人*1.28倍)
《致死率・3日現在》(↑、↓、→は2日と比べて)
 中国4.0%→、韓国不明、イタリア12.0%↑、イラン6.2%↑、ドイツ1.2%→、米国2.4%↑、フランス7.6%↑、スイス2.5%↑ 英国8.6%↑、トルコ1.9%↑ 日本2.3%→。
  
 上の数値で、感染者が最も多いのは米国で24万人、それに比べて日本は4千人にも満たない。だから、日本の感染者の方が圧倒的に少ないというのは詭弁であり、誤りである。なぜなら、米国では少なくとも24万人以上にPCR検査を実施して感染者を確認しているが、日本ではわずかに6万5千人程度しか検査を実施していないからである。それは一例だが、したがって、それぞれの国の感染者数を(同じ土俵で)比べることは意味がない。日本以外の国は、少なくとも10万人以上は検査を実施している。検査をしなければ感染者はゼロなのだから、《何人検査してその結果、感染者は何人であった》というのが正確な情報だ。
 ただ前日比や致死率は、一国内の比較なので、ある程度信用できるかもしれない。検査件数が圧倒的に少ない日本、無症状者を感染者にカウントしていない中国を除けば、感染が拡大し続けている国は、米国、英国、トルコであり、イタリア、フランス、ドイツ、スペインは「下火」になりつつあるのではないか。一方、致死率はドイツを除いてどの国も上昇しており、どのようにして死者の増加を食い止めるかが、世界共通の切実な課題だと思われる。そのために人類の英知を結集せよ。
(2020.4.4)